HDR(ハイダイナミックレンジ)機能って?
『HDR機能は、明るさの違う3枚の写真を、バランスの良い1枚の写真に合成する機能です。』
実はiPhoneがさりげなくHDRについて説明をしてくれています。iPhoneのホーム画面にある「設定」から「写真とカメラ」を開くと、下の画像、右側の設定画面になります。
その設定画面の一番下に、HDR(ハイダイナミックレンジ)について書かれているのです。 ※iPhone 6 Plus (iOS9)です。
HDRって?
HDRは、3段階の異なる露出の写真の良い部分を、1枚の写真に合成する機能です。HDR版に加えて、標準露出の写真も保存します。
- “3段階の異なる露出の写真”というのは、「明るい写真」「中間の写真」「暗い写真」のことです。
- “HDR版”というのは、その3枚の良い部分を1枚の写真に合成した写真のことです。
- “標準露出の写真”というのは、HDR撮影ではない通常に撮影された写真のことです。
シャッターを押した瞬間に3枚の異なる明るさの写真を素早く連写し、露出バランスの取れた1枚の写真として合成する機能です。その合成されたHDR写真の1枚と、同時に、HDR撮影ではない通常写真も保存します。
ということが書かれています。
HDR機能とは
『HDR機能は、明るさの違う3枚の写真を、バランスの良い1枚の写真に合成する機能』
- 明るい写真 + 中間の写真 + 暗い写真 = ちょうど良い明るさの写真
HDR撮影されたちょうど良い明るさの写真がHDR写真ということになりますね。
この足し算をシャッターを押した瞬間に成し遂げるのです。すごいですよね。便利です。オン設定さえしてしまえば、あとは被写体にピントを合わせシャッターを押すだけです。
一度の撮影でそのHDR写真と通常写真の2枚がカメラロールに保存されます。
露出とは、明るさ(光の量)のことです。露光ともいわれています。明るい場所では明るい写真に、暗い場所では暗い写真になります。
上の画像のように、光が当たりすぎると白くつぶれてしまったり(白とび)暗すぎるところでは黒くつぶれてしまったり(黒つぶれ)することがありますが、
HDR機能は、その明るさの違う写真からそれぞれの良い部分で合成しますので、白とびや黒つぶれを防いでくれるという嬉しい効果もありますね。
HDR写真を撮影する方法
HDR機能は、写真モードとスクエアモードで使うことができます。撮影画面上のをタップすると「自動・オン・オフ」を選択設定することができます。
通常「自動」もしくは「オフ」に設定している場合は、カメラを起動すると「オフ」になっていますので、忘れずに「オン」に設定します。
また、前回撮影時に「オン」で設定していても、次にカメラを起動する時には「自動」に戻っていますので、忘れずに「オン」に設定します。
HDR写真は、撮影前に必ずHDR機能を「オン」に設定する必要がある。ということになりますね。
HDR機能が作動する時には、HDR文字が黄色になり下部にHDRアイコンが表示されますので、その状態時であることを確認してからシャッターをきります。
HDR機能が「オン」や「自動」の場合でも、通常撮影とかわらずマニュアル操作(手動)での露出補正や「AE/AFロック」ができます。
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露出補正はタップし黄色い枠太陽マークが表示されている時に画面を上下にドラッグさせて調整します。「AE/AFロック」は画面長押しで「露出/ピントを固定」します。
その際は、調整した状態が通常写真に、調整した状態をベースにしたHDR写真が撮影されます。
HDR撮影で、思うよりも暗かったり明るすぎるようでしたら、先にマニュアル操作で露出補正してから、再度HDR撮影してみるとよいですね。
迷う時は
HDR機能を使った方がいいのか、キレイに撮れるのはどちらなのかと迷う時は「自動」に設定し、iPhoneカメラに判断してもらうのもいいですね。iPhoneカメラが必要と判断すれば自動的にHDR機能で撮影してくれます。
HDR機能で露出を実験してみました
明るさの違う3枚の写真をバランスの良い1枚の写真に合成してくれるHDR機能ではありますが、HDR撮影をする前に明るさを調整したHDR写真と、なにもしないで撮影したHDR写真とは、どんな違いがあるのか実験してみました。
HDR機能をタップで実験
たとえば、太陽を背にして立つ人を撮ることにします。太陽側に向かって写真を撮ろうとすると、逆光で人物が暗くなりますよね。HDR撮影では、太陽も人物もほどよく見える明るさになります。
・シルエットを活かしたい・暗さを活かしたい
そこで、明るい場所をタップすると、多すぎる光を抑えてシルエットがより濃くなり、全体的にしっとり落ち着いた感じになります。
・光を活かしたい・明るさを活かしたい
また、暗い場所をタップすると、少なすぎる光を増やして背景がより鮮明に、全体的に明るくなり、見えなかった暗い部分も見えるようになります。
しかし、あまりにも光が強い直射日光だったりの状況によっては、上の画像のように、白とびすることがあります。そんな時は、HDR機能+露出補正でしょうか。
HDR機能を露出補正で実験
わかりやすい蛍光灯でまた実験です。同じ露出補正でも、HDR機能のあるなしでは写真も違って撮れることがわかりました。
一概にこの時はコレがいいとは決められない可能性を感じますね。ステキな偶然の産物に出会えたりしますので、HDR機能を使いつつ状況によってタップや露出補正を試してみるとよいですね。
同じ日の夕空でも、夕焼け色を撮りたい場合・夕陽を撮りたい場合・夕焼けに染まる街並みを撮りたい場合、タップする場所や露出補正によって夕空のイメージもまた違ったものにできます。
この方法で、夜景が綺麗に撮れることもあるそうですので、夜景が撮りたくなった時には、HDR機能をオンにして、画面のいろんな場所をタップしながら、夜景撮影にチャレンジしてみるのも楽しそうです。
HDR写真のみを保存する方法
初期設定では「通常の写真を残す」に設定されていますので、通常写真とHDR写真の2枚がカメラロールに保存されます。
HDR写真には画面左上にと表示されています。
HDR写真のみを保存するようにしたい場合は、設定画面から写真とカメラへ進み「通常の写真を残す」ボタンを左に移動させると、HDR写真のみが保存され通常写真は保存されないようになります。
HDR機能の「自動・オン・オフ」どれを選ぶ?
自動設定では、iPhoneカメラが「HDR写真じゃなくても大丈夫、綺麗に撮れるよ」「これはHDR機能でも撮っておきたいね」と状況に合わせてHDR機能の作動を判断し撮影します。
オンに設定すると、HDR機能がそれぞれの良い部分だと判断し合成した「ちょうどよい明るさ」の綺麗なHDR写真が撮影されます。
オフに設定する、のは?あえてオフに設定する、HDR写真が必要ないのはどんな時なのか考えてみました。「いつでも目で見えている画面の状態のままを撮りたい・さっとメモ代わりに撮っておきたいだけ・通常の写真だけでも十分綺麗に撮れるから」でしょうか。
「毎回2枚の保存はいらないよ、削除がめんどうだもの」も思いついたのですが、設定画面から1枚だけの保存に変更できるのでしたね。
とにかく撮って触って試して楽しむ。
ちょっと軽い気分で撮ってみたものでも、綺麗に撮れているというのは嬉しいものですよね。
もちろんHDR写真を撮りたい場合は「オン」ですが、ふだんはHDR機能の設定を「自動」にしておくと、良いことはあってもその反対は無いかなと思います。
撮影をiPhoneにお任せしてみるのも楽しいです。そうやってiPhoneカメラが撮ってくれた写真はどんな風に撮れたかなと、見るのも楽しみだったりします。
何枚でも撮れて、何度も撮り直せるのが、デジタルなiPhoneカメラの良さでもありますね。
P.S. 屋外で撮影する時は、iPhoneの充電を忘れずに~。