
遠くにいる相手と映画や音楽を同時に楽しむ方法。
遠くに住む家族や、なかなか会えない友人と顔を見ながら話せるFaceTime。私もiMacの前に座って、故郷にいる母と話すのが、ささやかな楽しみのひとつになっています。画面越しでも相手の顔が見えるだけで、ほっと安心できて心も温かくなるような気がしますよね。そんなFaceTimeに、「SharePlay」という素敵な機能があるのをご存知でしょうか。
SharePlayは、FaceTimeで通話しながら、同じ映画を観て笑ったり、同じ音楽を聴いて感動したり、ときにはスポーツ中継で盛りあがったり。まるで隣に座っているかのように、同じ瞬間を一緒に体験できる仕組みです。以前なら、そんなふうに誰かと繋がるには、実際に会うか、電話やLINEで感想を伝え合うくらいしか方法がありませんでした。
それが今では、FaceTime通話中に、Apple TVアプリやApple Musicアプリを開いて、コンテンツを再生。「SharePlayを使用しますか?」と聞かれたら、それを許可するだけで共有体験が始まるのです。必要なものは、Appleデバイスと、参加する皆んながそのサービスに登録していて、同じコンテンツを視聴できること。
たとえば、友人と「あの映画、もう観た?」なんて会話で盛り上がったとき。「まだなら、今から一緒に観ない?」と、その場で上映会が始められる。あるいは、お気に入りの音楽を「これ、すごく良い曲だから聴いてみて」と、相手の耳元にそっと届けるように共有できる。そんな、これまでなら想像の中だけで終わっていたことが、SharePlayを使えば、いとも簡単に実現できてしまうのです。
もしそのときに、相手がコンテンツのサブスクリプションに加入していなくても、アクセス権を取得する方法を案内してくれます。たとえば、私がApple TV+で配信されている映画を共有しようとしたときに、友人がまだ加入していなくても、「サブスクリプションに登録するか、無料トライアルを開始しますか?」というメッセージが表示されます。無料トライアル期間中も利用できるので、「ごめん、まだそのサービスに入ってないから観られない」という残念なことにならずに、そのままSharePlayを楽しむことができます。
同じく「オンラインで通話しながら画面を共有できる」サービスとしてよく知られているのが、ZoomやSkypeでしょうか。SharePlayとの違いが気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。コンパクトに説明すると、ZoomやSkypeの画面共有は、相手に自分の画面をそのまま見せる仕組みです。たとえば、オンライン会議や打ち合わせでプレゼン資料を共有したいときに活躍します。同じ画面共有でも、ZoomやSkypeは「相手に見せる」、SharePlayは「一緒に体験する」というスタイルの違い。ということですね。
FaceTimeとSharePlayの関係
それでは、MacのFaceTimeでSharePlayをどうやって楽しむのか、そして、それが日常にどんな素敵な変化をもたらしてくれるのか。離れていても心を通わせることができるSharePlayの魅力について、お話ししていきたいと思います。
まずは、コミュニケーションを豊かにしてくれるFaceTimeについて、少し振り返ってみましょう。FaceTime(フェイスタイム)は、Apple製品同士でビデオ通話や音声通話ができる機能で、独立したアプリとしても利用できます。iPhone、iPad、Apple Watch、そして私が今こうして文章を綴っているMacでも、もちろん使えます。連絡先アプリやメッセージアプリから通話を始めることもでき、WindowsやAndroidなどApple以外のユーザとも、招待リンクを送ることで通話が可能です。最大32人まで参加できるグループ通話やチャットなど、便利な機能が揃っています。
インターネットに接続さえしていれば、相手が地球の裏側にいても、まるで目の前にいるかのようにクリアな映像と安定した音声で会話ができます。本当に便利な時代になった、なんてつくづく感じますよね。さらに、ただ話すだけでなく、画面を共有しておすすめのウェブサイトを見てもらったり、思い出の写真をスライドショーで一緒に眺めたりすることもできます。これが、SharePlayの楽しみへとつながる、いわば序章なのです。
そして、本題のSharePlay(シェアプレイ)です。FaceTime通話中に、映画や音楽などを通話相手と完全に同期して楽しめる機能です。たとえば、私がMacでApple TV+の映画を再生すると、通話している友人のiPhoneでも同じタイミングで映画が始まります。誰かが「ちょっと待って、今のシーンをもう一度」と巻き戻せば、全員の画面が同じように巻き戻る。感動的な場面で思わず再生を止めれば、皆んなの画面もピタリと止まり、その瞬間を共有できるのです。操作がすべてリンクしているなんて、本当にすごいことだと思いませんか?電話をスピーカーにして「せーの」で再生ボタンを押していた頃からすれば、夢のようです。
さらに賢いのが「スマート音量」という機能。再生中でも誰かが話し始めると、自動でコンテンツの音量を少し下げてくれるので、会話を遮られることなく感想を言い合えます。映画のクライマックスで盛り上がって誰かが思わず「最高!」と叫んでも、その声はちゃんと全員に届く。本当に同じ部屋で映画を観ているような感覚に近いですよね。この細やかな配慮に、Appleらしさを感じていつも感心させられます。
離れていても心はすぐそばに。SharePlayの魅力
私がSharePlayの本当の魅力に気づいたのは、ある雨の日の夜でした。少し気分が落ち込んでいて、何か楽しい映画でも観たいと思っていたとき、遠方に住む親友からFaceTimeがかかってきたのです。何気ない会話の中で「最近、面白い映画観た?」と聞くと、「ちょうど観たいと思ってたのがあるんだけど、一緒に観ない?」と、まるで私の心の中が見えていたように誘ってくれました。
彼女はiPhone、私はiMacで。同じポップコーンを用意することはできなかったけれど、遠くにいることを忘れてしまうほど、同じ映画の同じシーンで笑い、驚き、そして感動を分かち合いました。映画を観ている間、お互いの顔は画面の隅に小さく表示されています。彼女が涙ぐむと私もつられてしまったり、同じタイミングで吹き出して「相変わらず笑うツボが一緒だね」と笑い合ったり。
映画が終わる頃には、すっかり気分も晴れやかになっていました。まるで、学生時代に彼女の部屋で一緒にDVDを観ていた頃に戻ったような、懐かしくも温かい気持ちに。SharePlayは、単なるコンテンツ共有ではなく、時間と空間を超えて心をつなぐコミュニケーションツールなのだと実感しました。
音楽も同じです。Apple Musicで、お気に入りのアルバムを一緒に聴くこともできます。思い出の曲を流しながらアーティストについて語り合ったり、最新のヒットチャートをチェックしながら、「この曲、いいね」「次はこの曲を聴こう」と、プレイリストを共有し合ったり。再生や一時停止はもちろん、次に流す曲のリストをどちらからでも編集できるので、相手の意外な選曲に驚かされたり、自分の選んだ曲を気に入ってもらえたり。音楽を通じて新しいコミュニケーションが生まれる瞬間は、とても心躍る体験です。
ある週末には、実家の両親とSharePlayを試しました。父が選んだノンフィクション映画を観ていると、若い頃に映画館で似た作品を観た思い出を語り始め、その横で母が少し呆れ顔。思わず笑ってしまい、映画をじっくり観るどころではなくなってしまいましたが、その話を聞きながら父が若かった頃に思いを馳せる時間になりました。
通話に参加している誰もが操作できるので、「今の俳優さん、なんて名前だっけ?」と父が言えば、私が再生を止めて調べることも自由自在。まるで、実家の居間に集まっているような一体感でした。なかなか会いに行けないけれど、そんなひとときが「ちょっとした親孝行」になっていたなら嬉しいなと思いながら、次の約束をしてFaceTimeを閉じました。やっぱり、離れていても一緒に過ごせるっていいものですね。
場所を選ばない自由さ
SharePlayの魅力は、Appleのデバイスすべてで楽しめるところにもあります。親友はiPhoneで参加していましたが、まったく問題なく楽しめました。iPhoneの手軽さは、くつろげる場所でリラックスして映画やドラマを観たいときにぴったりです。Apple Watchを身につけていれば、手元で再生や一時停止の操作もできてさらに快適。
iPhone同士ならYouTube premiumに加入している人がセッションを始めれば、FaceTimeで通話しながらSharePlayで動画を楽しむこともできるので、「YouTubeを見よう」となったときは、iMacからiPhoneに変えて参加しています。
ときには、ベッドやソファでiPadを使う友人と、デスクでiMacを使う私。それぞれのライフスタイルに合わせて柔軟に繋がれるのが嬉しいですよね。デバイスが違っても、SharePlayの体験は同じ。同じタイミングでコンテンツを一緒に楽しむことができるのです。
車の運転中にSharePlayを使う機会もありました。CarPlay対応の私の車で、兄がApple Musicのセッションを開始。兄のiPhoneのQRコードを私のiPhoneが読み取ると、選んだプレイリストが車のスピーカーから流れ始めました。久しぶりに会った兄が聴くジャンルの変化に驚きながら、DJ気分になっている兄のおかげで楽しいドライブになりました。こんなふうに、SharePlayは日常のさまざまなシーンをもっと楽しく、色鮮やかに彩ってくれるのです。
さらに可能性を感じたのは、Apple Watchを着けてジョギングに出かけたとき。Apple Fitness+のワークアウトをSharePlayで共有すれば、励まし合いながら一緒に汗を流すこともできます。まだリアルタイムで試したことはありませんが、共有している人のアクティビティリングを確認できるので、ひとりでは挫けがちなトレーニングも仲間となら頑張れる気がします。
心をつなぐまとめ
私はひとりで過ごす時間が好きです。趣味に打ち込む時間や、静かに自分を見つめ直す時間、黙々と自分の世界に取り組む時間が心地よいのです。そんな「ひとりの時間を楽しむ」ことが好き。だからといって、大切な人や繋がりたい人がいないわけではありません。故郷の家族や友人たち、お世話になった人や、SNSで知り合って10年以上続いている友人も。離れていても顔を見て話したい、一緒に何かをしたいと思う人はたくさんいます。そんな人たちと距離を超えて「体験」を共有するSharePlayの時間も、私にとってはひとり時間の延長線上にある、特別なひとときなのです。
デジタルツールは、時に孤独感を強めてしまうと言われることもあるようです。でも、私はSharePlayを使っていて、そんなふうに感じたことは一度もありません。むしろ、誰かと「つながりたい」という純粋な気持ちに寄り添ってくれるもの。人と人、心と心をつなぐための、温かくて優しいテクノロジーだと思うのです。離れていても、心はすぐそばに。SharePlayでの大切な人との「時間」と「体験」と「感情」の共有は、かけがえのない思い出を作るための新しいカタチなのかもしれません。
私が親友や両親と「同じ瞬間を一緒に体験」できたように、風邪を引いて外に出られない日、遠くへ引っ越した友人を想う夜、あるいは誰かの声を聞きながらぼんやり過ごしたい午後。そんなときこそ、Macを開いてFaceTimeを繋いでみてください。そして「ねえ、これ一緒に観ない?」と誘ってみてください。画面の向こうにいる大切な人と、同じリズムで笑い、同じ音楽に心を揺らす。
きっと、その笑顔がいつもよりずっと近くに感じられると思います。