ぬか漬けを作って「菌活」を始めたい。まずはぬかと保存容器を選んで準備を整える

ぬか漬けを作って「菌活」を始める。まずはぬかと保存容器を選んで準備を整える。  私の腸内フローラに、新風を吹き込む。過酷な環境で生き抜く植物性乳酸菌への期待

私の腸内フローラに、新風を吹き込む。過酷な環境でも生き抜く植物性乳酸菌への期待

炊き立ての白いご飯に、湯気が立ち昇るお味噌汁。そしてまな板の上には大根やきゅうりのぬか漬けがのっています。それをトントンと切る音が心地よく響く「一汁一菜」の朝。

最近は、朝一番にホットヨーグルトを摂ってから、納豆やお味噌汁、ぬか漬けなどの発酵食もなるべく食卓に並べるようにしています。体に優しい朝食に興味が湧いて、何気なく始めた「ホットヨーグルト」は、今でも毎朝の習慣になっています。おかげでおなかの調子もいい感じ。その調子の良さはお腹から体全体へ、そして心にも伝わっていくのを実感しています。

朝はなるべく体に負担のない自然なものを摂り入れたい。どんなものがあるだろう。そんなふうに考えていたある日、ふと「ぬか漬け」の存在が頭をよぎりました。ぬか漬けといえば、日本の伝統的な発酵食品のひとつ。乳酸菌と酵母菌などの善玉菌が腸内環境を整え、健康的な体づくりに貢献すると言われています。思い立ったら早いもので、さっそくスーパーの漬物コーナーへ行ってみました。ところが並んでいたのは大根ときゅうりのぬか漬けセットが2種類だけ。「腸活」や「菌活」という言葉をよく目にしますが、ぬか漬けは人気がないの?

思ってみれば、ぬか漬けを食べたのはいつだったか思い出せないくらい、私の中でもその存在は薄くなっていたように思います。実家の母は、私が幼い頃から納屋の離れで、大きな樽を使ってぬか漬けを作っていました。母の手料理は大好きでしたが、あの納屋に近づいたときに漂ってくる、鼻の奥をツンと突くような強烈な匂い。子ども心に「これは触れてはいけない大人の領域だ」と感じていたのを覚えています。でも、食べると美味しいんですよね。あの酸っぱさを含んだ独特のうまみを思い出して、思わず両頬がきゅうっとなりました。

大根やきゅうりだけじゃなく、白菜や人参のぬか漬けも食べたい。はじめてでも、カビさせないで美味しく作れる方法があると信じて、ぬか漬け作りの一歩を踏み出すことに決めました。

なぜ今、「ぬか漬け」なのか?

ほぼ毎日のように、母はぬか床をかき混ぜていました。寒い冬の日でも冷たいであろうぬか床に手を入れる。そんな手間をかけている姿が記憶にあるのに、なぜ今、ぬか漬けを作り始めようとしているのか。それは「美味しいから」や「食べたいから」という理由だけではなく、野菜をぬか床に漬けるという行為には、食材のポテンシャルを飛躍的に高める、ある種の科学的な面白さがあるからです。

祖母が食事療法を始めたのをきっかけに、私も一緒にクリニックや手引書で学ばせてもらったことがあります。その中に「ぬか漬け」が紹介されていたことを思い出しました。野菜にはもともとビタミンやミネラルが含まれていますが、ぬか床に漬けることで水分が抜け、代わりにぬかの栄養素やうまみが野菜に浸透し、栄養価が何倍にも跳ね上がるそうです。「生野菜をサラダで食べるのも良いけど、ただ漬けておくだけで栄養が増すなんて、こんなに効率の良い食べ方はないよ」と、どこか誇らしげに話してくれたクリニックの先生はお元気かな。

「植物性乳酸菌」の強さに惹かれて

とくに興味深かったのが、乳酸菌についてのお話でした。私が毎朝40度ほどに温めて摂っているホットヨーグルトに含まれるのは、主に「動物性乳酸菌」。これに対して、ぬか漬けやキムチなどに含まれるのは「植物性乳酸菌」です。この植物性乳酸菌は過酷な環境でも生き抜く力が強く、ぬか床のような塩分や酸性度が高い環境で育つため、体内に入っても胃酸に負けずに、生きて腸まで届きやすいのだとか。

「動物性のヨーグルトと、植物性のぬか漬け。このダブルの乳酸菌を取り入れたら、私のお腹は最強になるのでは?」そんな単純な、でも確かな期待が私の背中を押しました。素朴な和食中心の食生活に戻りたいという気持ちともマッチし、まさに今の自分に必要なのはこれだ、と直感したのです。

ぬか漬け作り、はじめの一歩は「必要なものを準備する」

「よし!」と意気込んでみたものの、何から始めればいいのか分かりません。でも「ぬか(糠)」とそれを入れる「保存容器」が必要なのは分かります。まずはそこを糸口にして進んでみることにしました。スーパーマーケットにネットショップ、リサーチにリサーチを重ねてみると、その種類の多さに圧倒されました。

「ぬか」選びの悩みどころ

まずは肝心の「ぬか」選びです。大きく分けて、選択肢は3つありました。

1. 生ぬか:精米したてのお米から出る、新鮮な生のぬか。風味が良くて乳酸菌も住み着きやすいけれど、酸化しやすく虫がつきやすい。入手難易度も高め。
2. 炒りぬか:生ぬかを炒って殺菌したもの。香ばしくて保存性が高いけれど、菌をいちから育てて発酵させるまでに時間がかかる。
3. 熟成ぬか床(発酵済み):すでに発酵が進んでいて、塩や昆布などの調味料も入っているもの。買ってすぐに野菜を漬けられる。失敗は少ないけれど、最初からある程度の味が決まっている。

生ぬかからぬか床を作るロマンも魅力的ですが、「まずは、ぬか漬けのある生活を続けること」を最優先に考えた結果、私が選んだのは3番の「熟成ぬか床」です。

これはすでに適度な塩分と水で調整され、乳酸菌が十分に発酵した状態で売られているものです。袋を開けた瞬間から、あの懐かしいぬか漬けの香りが漂います。つまり、届いたその日から野菜を漬けられるのです。手軽さを優先することは、決して手抜きではありません。長く続けるための賢い戦略なのです。私は迷わず、乳酸菌で発酵させた「熟成ぬか床」という商品をカートに入れました。

決め手になったのは、パッケージに書かれた「乳酸菌で発酵させた」という頼もしい言葉と、米こうじを主力とする発酵食品のプロ、コーセーフーズが手掛けた商品であることでした。初めての人が一番つまずきやすい「発酵が安定するまでの期間」をプロの手(と菌の力)でショートカットできるなら、これほどありがたいことはありません。

保存容器は「箱」か「袋」か

次に悩んだのが容器です。ホーローファンとしては、すでに冷蔵庫にある野田琺瑯(ほうろう)のバターケースとお揃いで「 ぬか漬け美人 」を使いたいところですが、どんな選択肢があるのか調べてみることにしました。容器の選択肢は、大きく分けて5つありました。

1. ホーロー容器: 白くて清潔感があり、匂い移りしにくい。
2. ガラス容器:外側からぬか床の様子を見ることができて、匂い移りしにくいけれど、少し重い。
3. プラスチックタッパー: 軽くて扱いやすい。安価でサイズも豊富だけれど、プラスチック臭が移ることもある。
4. 専用の陶器(壺): 本格的。温度変化が緩やかで発酵に適しているが、重くて場所を取る。
5. ジッパー袋:手軽で場所を取らないけれど、品質によっては破損の心配がある。

脳内シミュレーションの結果、私が選んだのは4番の「ジッパー袋」です。というのも、今回購入したコーセーフーズの「熟成ぬか床」は、パッケージの袋自体が自立するスタンドパックになっていて、そのまま容器として、しっかりと使える仕様になっていました。これなら、冷蔵庫のドアポケットやちょっとした隙間にすっと立てて入れられます。

「袋で漬けるの?」と最初は驚きました。なにせ実家では樽でしたので、「袋」という発想自体がなかったのです。よく考えてみると、意外と便利なことに気づきました。

* 場所を取らない: 冷蔵庫のポケットや隙間にスッと入る。中身が減ってきたら袋を折りたたんで小さくできる。
* 管理がラク: 袋の上から揉むことができるので、ぬかを減らさず手も汚さずに混ぜられる。
* 空気を抜きやすい: ぬか漬けの大敵である空気を、ジッパーを閉める際にしっかり抜くことができる。

まずはこの「袋のままスタイル」でスタートして、もっと本格的にやりたくなったら素敵なホーロー容器に移し替えればいい。そう思えたことで、スタートへのハードルがぐっと下がりました。はじめての挑戦は、とにかく「続けやすさ」に特化することにしました。

準備完了。ぬか床菌との共同生活へ

こうして、私の手元には「熟成ぬか床」のパックと、漬けられるのを待っている野菜たちが揃いました。

特別な道具を買い揃えることもなく、拍子抜けするほど簡単なスタート。でも、この手軽さこそが、今どきの「菌活」なのかもしれませんね。祖母から母へ、母から子へ代々受け継がれてきたぬか床・・・ではありませんが、かつて母が納屋で汗をかきながら、ときには寒さに震えながら守っていたあのぬか床の精神を、私は冷蔵庫の中で、スマートに(そして少し楽をしながら)受け継いでみようと思います。

果たして、ぬか漬け作り初心者の私の手で、あの懐かしい「おふくろの味」は再現できるのでしょうか? それとも、まったく新しい「私の味」が生まれるのでしょうか。次回は「ぬか床」作りをレポートする予定です。

どうぞ、温かい気持ちで見守ってくださいね。

乳酸菌で発酵させた「熟成ぬか床」コーセーフーズ・コミローナ