マクロレンズがやって来た。スマホに挟んでつけるカメラレンズセットで遊ぶ。(iPhoneカメラ:接写 マクロ撮影)
写真を撮ることが好きな人に起こる現象 “レンズ沼”という言葉があるほどです。一眼レフカメラでもデジカメでも、写真を撮影しているといろんなレンズが欲しくなるのですよね。
小さな世界を大きく鮮明に写せるマクロレンズ。水中から空を見上げる魚の視点(フィッシュアイ)のように球状の写真が撮れる魚眼レンズ。
高さや奥行きなど広がりある写真が撮れる広角(ワイド)レンズ。遠くにある切り取りたい光景を拡大して写せる望遠レンズ。
レンズで遊んでみたいなと思いつつも、iPhoneカメラでは、外付けレンズに代わりそれらの効果を表現できるカメラアプリがあります。
また、接写ではポケットルーペ(拡大鏡)を使ってあれこれ試行錯誤しながらの撮影が楽しくもあったため、レンズを購入するまでには至らずにいましたが、
カメラレンズセットが「冒険しやすいプチ価格になってきましたよ」ということで、マクロレンズ欲しさにようやくAmazonでポチっとしたのです。
スマホ用カメラレンズセット。Mpow Clip-On レンズ3点セット(魚眼・マクロ・広角)
「郵便でーす!」待っていましたよ郵便屋さん。スマホ用カメラレンズが届きました。Mpow Clip-On レンズ、魚眼・マクロ・広角(ワイド)の3点セットです。
コンパクトで持ち歩きに便利、クリップで簡単装着、甲乙つけがたい数ある“スマホ用カメラレンズキット”の中から「通常の写真撮影モードサイズでもケラレなし」であることが購入の決め手になりました。
- スマートフォン・タブレットPC用 3 in 1レンズ
- 魚眼(180度)マクロ(10x)広角(0.65x)
- 高透明度ガラスのプロ用レンズを使用
レンズがふたつのように見えますが、小さい方の広角レンズをくるっと回して外すと、マクロレンズになります。
さっそくiPhoneにカメラレンズをつけてみます
白いクリップにレンズをカチッとはめてiPhoneに挟むだけ。ネジ式ではないので取り付けがとても簡単でスピーディ。本体に接触する部分はラバー素材ですので、傷がつく心配もなさそうです。
家族のiPhone 6 Plusをちょっとお借りします。ケースを外してさっそくレンズを装着。クリップの圧力加減がよい感じで隙間なくぴったりとはまりました。
次に私のiPhone 6 Plusにマクロレンズを装着し、装着姿を撮影。予想以上に美しい写りで驚きました。かなり近づいての接写が可能です。被写体との距離は1cmほどです。
もうすでにこの時点で「かっ、買ってよかった・・」としみじみ思えるほど綺麗に撮れました。周りのボケ効果がよい雰囲気です。
マクロレンズあり(左)なし(右)での撮影。スジが美しいですね。にんにくです。
マクロ・魚眼・広角(ワイド)レンズを試し撮り
想像比較しやすい電池でそれぞれのレンズを試し撮りしてみました。くっきり色濃く見える電池の印字も、マクロ眼ではインクの濃淡どころかかすれさえも見えます。おもしろい。
広角レンズでは近めの位置にやや魚眼っぽさが入るようです。魚眼レンズでは6畳部屋の床に寝た姿勢で、天井の四隅がちょうど収まる範囲まで撮れました。
スマホケースをつけたままでも、マクロ写真は撮れる?
現在のiPhoneケースは、衝撃に強くなめらかな曲線が持ちやすい iFace を使っています。iFace装着あるなしでの厚みの差は約4mmです。
iPhoneカメラのレンズからマクロレンズまでの間に4mmの空間ができるということですね。
iPhone6sPlus iPhone6Plus ケース カバー iFace First Class ストラップホール付き 正規品 / ブラック
- 出版社/メーカー: Hamee
- メディア: Wireless Phone Accessory
画像左側がスマホケース装着、右側がスマホケースなしで撮影したものです。
スマホケースを装着した状態では、魚眼レンズ風に中央が少し盛り上がり、ピントの合う範囲もやや狭くなりますが、充分に綺麗なマクロ写真が撮れました。
iPhoneを近づけても影にならないようであれば、なるべく被写体に接近した方がより鮮明な写真を撮ることができますね。
スマホの「ケラレ」について
ケラレとは、画面の隅にレンズのふちやフィルタなどが写り込んで、黒くなったり被写体の一部が欠けたりすること。ケラレるともいいます。
*参考画像:レンズをズラしてわざとケラレを発生させてみました。
ケラレが発生するのは、レンズのサイズが合っていなかったり、位置がズレていたりする場合です。
また、セルカレンズ(自撮り・広角レンズ)や魚眼レンズなど「引いた写真にみせるレンズ」に発生しやすいかもしれません。
かけているメガネを目から離すとフレームが視界に入るように、引きすぎてレンズのふちまで写ってしまうというような状態のことですね。
予想を超えて期待以上でした、Mpow Clip-On カメラレンズ。
ケラレ対策としてスクエアモード撮影やトリミングで、とも言われていますが、隅が欠けるものであれば、球状の湾曲を強調した魚眼風のレンズやカメラアプリ、写真加工アプリなど多数あるのですよね。
すでにそれらのアプリは持っていますし必要があればトリミングもしています。ですので、外付けカメラレンズを購入するなら“通常の写真撮影モードでケラレなく撮影できる”ものが欲しかったのです。
スクエアじゃなくても ケラレなし。
多少のケラレは仕方がないかなとあまり期待はせずに、魚眼・広角レンズを通常の写真撮影モードで確認してみたところ、嬉しいことにケラレなく撮影できました。
ケラレもなく、クリップもしっかりはまり、欲しかったマクロレンズで綺麗に撮影できる、期待以上のカメラレンズでした。よかった。
改良版も発売されましたよ。
Mpow Clip-On レンズ 3点セット (魚眼、マクロ、広角レンズ) iPhone 6S/6plus/6/Samsung/Sony Xperia/Androidスマートフォン対応(改良版)
- 出版社/メーカー: Mpow
- メディア: エレクトロニクス
雨にもマケズ。風にもマケズ。マクロ撮影。
雨あがりに近くの原っぱへ。途中、小雨が降ってきたり強風にあおられたり、陽が射したり曇ったりの忙しい空でしたが、気の向くままにマクロレンズで撮影してきました。
水玉はΦ3mm。小さなクローバー群の中にiPhoneをうずめながら撮影。
ピント位置が水滴の表面か奥にあるかによって、しずくのイメージも違いますね。
白い花はΦ2mm。ピンクの花は長さ約1.5cm、風が強くて左右に揺れまくり、なんとか画面内に収まった1枚です。
黄色い花はΦ1cm。このショットではないのですが、花びらのうぶ毛までくっきりはっきりと撮影できます。
綿毛はΦ1cm、黄色い小花は1mm以下です。肉眼では見えない小さな光のプリズムが綺麗です。
綿毛に接近&ズームするとイソギンチャクのようですね。右の水彩画のような写真は、フォーカス位置ではなくボケ位置でトリミングしました。
同じ被写体で同じ構図でも、露出のアンダーオーバーによって雰囲気が変わりますね。光の玉ボケもよい感じ。
空間を利用して趣きが出るように被写体をセンターから外してみました。
マクロレンズでの撮影方法
今回のマクロ撮影では、iPhoneカメラのAE/AFロックの設定だけで iPhone本体の固定はせずに、すべて手持ちで撮影しました。
マクロレンズでは被写体を大きく写すため、倍率が高くなるほど手ぶれしやすく、カメラが少しズレただけでもピント位置が変わってしまいます。
ブレやピンぼけを防ぐために、マクロ撮影では三脚やスタンドなどでカメラを固定しての撮影が基本になります。
細部を鮮明に撮影したい場合は三脚などの使用をおすすめします。
私の写真のようにマクロレンズで大きく写して雰囲気を楽しむような場合であれば、三脚がなくても iPhoneカメラのオートフォーカス機能やAE/AFロックだけで、充分にマクロ撮影を楽しめると思います。
少々のピンぼけやピント位置がズレても、マクロレンズならではのボケ効果のおかげで、それはそれで味わいがあるように思えます。
*マクロ撮影で気をつけたいこと
ピントが合いやすいのは被写体との距離が1~3cmの間。2cmあたりが一番くっきり写るのではないかと思います。(マクロ倍率10xの場合)
- とにかく被写体に近づいて
- AE/AFロックをしたら
- iPhoneカメラと被写体との距離が変わらないように注意する。
ピント位置がズレたら再度AE/AFロックをかけ直すことを忘れずに、ですね。
花マクロ撮影について
マクロレンズで花を撮ることを「花マクロ」と呼ぶそうです。人は花を見る時、花のシベに視点を合わせると言われていますので、花マクロ撮影では、シベにピントを合わせて撮影することが基本になるようです。
美しいと感じたままに
マクロレンズの倍率によって、背景の写り込みの範囲やボケ効果の強さが変わります。レンズの効果以外でも、撮影の要素によっても受ける印象を変えることができます。
水滴や葉脈、花びらの先へなど、ピントを合わせる位置。余白を活かす構図やアングルなどのフレーミング。光の取り入れ方やボケのバランス。背景の明るさや色、画面を占める配色のバランス。
さまざまな要素を織り合わせて表現することが、花マクロの醍醐味とも言われています。なにはともあれ、美しいと感じたままに撮ってみようとすることが大切ですよね。
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北海道在住の写真家 浅井美紀さんの、並んだしずくひとつひとつの中に花が咲いているようなマクロ写真が素敵なのです。こんな風に撮れるようになれたらいいな。なんて憧れます。
写真やマクロ撮影が好きな理由
カメラレンズや花マクロについて書いていてわかりました。なぜ写真を撮ることが好きなのか、マクロ撮影が好きなのか。
空気感を醸し出す美しいボケ効果。見慣れたものでも普段見ることのない小さな部分を観れること、発見できること。そしてさまざまな要素を織り合わせる楽しさ。
被写体だけに注目するのではなく “被写体の魅力を引き出す方法を探すことが楽しい” のです。その方法を探しながら織り合わせていく楽しさが好きなのですね。
なるほど。
ストンと腑に落ちたような、新しい自分を発見したような、爽快な気分です。マクロレンズのおかげで、ますます写真や撮影が好きになりました。
まだ魚眼レンズと広角レンズもあります。
撮影遊びが楽しみです!
P.S. その後ですが、幸せのしずくを真似てiPhoneカメラで撮影してみました。広角ワイド撮影・魚眼フィシュアイ撮影・スマホ用マイクロスコープ(顕微鏡)を使ったミクロ撮影などもしてみました。iPhoneカメラレンズって楽しいですね。