
忙しい日常にスパイスの豊かな味わいを添える
さてと、今日は何を作ろうか?思いのほか帰りが遅くなってしまったので、あまり手間がかからず簡単に作れるものがいいかな。冷蔵庫をのぞいてみると手羽元がいくつか入っていました。ほかにはいつもの野菜たちとヨーグルト。これなら煮込み料理やオーブンで焼く料理なんかができそう。少し疲れたけれど、温かいご飯を食べてひと息つきたい気分です。
スパイスや調味料が並ぶラックを眺めながらしばらく考える。そこで思い出しました。なぜ手羽元があるのかということを。最近見つけた鶏肉にまぶして焼くだけらしい手軽なシーズニングを使ってタンドリーチキンを作ってみたいと思っていたのでした。ということで今日はタンドリーチキンに決まりです。どんな味なんだろう?楽しみです。
タンドリーチキンと言えば、ひと口ほおばった瞬間に広がる爽やかなスパイスの香りと芳ばしい風味。そのスパイスとグリルの絶妙な組み合わせに、ヨーグルトで漬け込まれた鶏肉が口の中でほどけるような食感も加わって、なんとも食欲をそそるひと品ですよね。
そのタンドリーチキンはインドの代表的な郷土料理なのだそうです。わたしは近くのインドカレー店に行った時によくトッピングに追加して食べているのですが、そこのコックさんいわく、粘土で作られたタンドール窯の中で高温で焼き上げることで、外はパリッと焼き色がつき、中は驚くほどジューシーに仕上がるのだそう。カレーと一緒に食べるのはもちろん、サラダやナンと組み合わせても抜群に美味しいのです。
そこまで本格的とはいかなくても、インドの市場や異国の香り漂う屋台にいるようなちょっとした旅行気分を味わえるタンドリーチキンを、家庭で簡単に作って食べることができるなんてわたしにとっては喜びしかありません。まぶすだけの手軽なシーズ二ングを見つけた瞬間、買い物カゴに入れていました。
最近、わたしの周りにあるスーパーではスパイスコーナーが大きく広げられ、とくにひと袋でサッと一品作ることができる手軽なシーズニングは「こんなものもあるの?」と驚くほどたくさんの種類が並べられています。いろいろな国の料理が気軽に楽しめるものも多く、まるで世界の味を旅しているような気分になります。シーズニングから知る料理名もあったりして、見ているだけでも楽しいです。
これだけシーズニングが充実しているということは、忙しい毎日の中で「手軽なシーズニング」で簡単に美味しい料理を作りたいという人が増えてきているのだろうなと感じられました。もちろんスパイスを揃えてじっくり料理するというのも魅力的ですが、忙しい日常ではなかなか難しいもの。何種類ものスパイス瓶に頭を悩ませることなく、ひと袋で味が決まる便利なシーズニングは、時短を求める人にとって救世主のような存在だと思います。
この記事では、手軽なシーズニングで作るタンドリーチキンの魅力とともに、準備に必要な材料、下ごしらえやコツ、さらに焼き上がりの香ばしさのヒントまで、五感をくすぐるポイントをお届けしたいと思います。とくに忙しい日や、仕事帰りで疲れているけれど「料理の時間をちょっとだけ丁寧にしたい」そんな願いを叶えてくれる簡単レシピです。
今回の手軽なシーズニングはこちら、S&BのSPICE&HERBシリーズからコリアンダーとクミンのエキゾチックな香り「タンドリーチキン」を選びました。
パッケージに記載されているレシピでは、ひとくち大にカットした鶏もも肉150gに、シーズニングをまぶしてアルミホイルにのせ、オーブントースター1000wで約10分焼き上げるとのことです。2ステップ10分でできるなんて朝のお弁当作りにも活躍してくれそうですね。
アレンジレシピで香ばしく焼き上げる
ヨーグルトが冷蔵庫に残っていたのはちょっとした運命かもしれません。ですがそれはプレーンではなくてほんのり甘い「はちみつヨーグルト」です。ふだん手羽元を柔らかくするためにプレーンヨーグルトを使うことはあっても、はちみつヨーグルトは初めてです。タンドリーチキンのスパイスに合うのか冒険でしたが、結果、その「はちみつヨーグルト」のおかげでとっても美味しく仕上がりました。
準備する材料はこちらです。
- SPICE&HERB「タンドリーチキン」・1袋(2人前×2回分)
- 手羽元・・300g
- はちみつヨーグルト・・大さじ2.5杯

スパイスとハーブの香りをなじませる
パッケージを開けるとスパイスとハーブのエキゾチックな香りがふわりと鼻をくすぐります。いい香り。容器に手羽元とシーズニング、そしてはちみつヨーグルトを優しく揉み込みます。むにむにとした触感になぜか不思議と自分もほぐされていく感覚がしてちょっとした癒しなのです。そしてオーブン200度で予熱を開始。予熱が完了するまでの間は手羽元とシーズニングをなじませる時間です。
オーブンから聞こえる「パチパチ」という音
オーブンの余熱が終わり、オーブントレイに皮の方を上にして手羽元を並べ、200度の中へと送り出します。設定時間は25分が目安です。焼き色がつき始める頃にはスパイスとハーブ、チキンから放たれる芳ばしい香りにキッチンが満たされます。それと同時に香りに刺激されたわたしのお腹はますます減ってきました。やがてオーブンから小さく「パチパチ」とはじける音が聞こえてくる。なんとも心地よい響きです。もうそろそろかな?
香ばしさが満ちていく焼き上げの時間
待つこと20分。一度オーブンを開き、焼いている間に溢れてきた手羽元の脂を料理用シリコンハケで(またはスプーンですくって)チキンの表面にしっかりと塗ります。香ばしく焼き上げるちょっとしたコツだからでしょうか、この作業はいつもなんだか妙に楽しく感じます。それから再度オーブンを閉めて残りの5分を待ちます。オーブンの扉越しにこんがりとした焼き色に染まっていくチキンを焦がさないように見守ります。
さあ、いただきましょう
25分ほど経過したところで、焼き上がりを迎えた手羽元が目の前に登場しました。こんがりと色づいた焼き目、芳ばしい香りがふわりと漂い思わず心が弾みます。どれも美味しそうですが、一番食欲をそそる一本を手に取りそっと齧ってみました。軽い音とともにサクッと焼き上がった鶏皮が口元で存在感を放ち、その後からチキンの旨みが口の中にじんわりと広がる。思わずどこかに向けて「美味しい」と言ってしまったほど、その味わいはわたしが思う以上の仕上がりでした。
スパイスとハーブはほどよく香り、主張しすぎない優しさが感じられます。ここではちみつヨーグルトのほんのりとした甘みと、香ばしさが心地よく調和し、仕上がりに奥行きを与えてくれます。一口ごとにふんわりとしたまろやかさが広がるのに加えて、やわらかな身が骨からほろりとはずれる瞬間は、なんだかほっとした気持ちになります。そこから立ち上る湯気に、もう一度食欲をそそられてしまいます。
ひとくちに詰まった喜び
本当に美味しいとき、人は「美味しい」と一言つぶやくか、しばらくの間、言葉が出てこなくなるのかもしれません。その「美味しい」という声がキッチンに広がると、家族も自然と集まり、気づけばみんなで立ったまま、静かに料理を楽しむ小さなパーティーのような時間が始まりました。あっという間にお皿は空になり、家族から「美味しかった」と言われた瞬間、疲れていたはずの体に少しずつ元気が湧いてきた気がします。
シーズニングは、忙しい毎日のなかでもささやかな変化や喜びを運んできてくれる存在だと感じます。次は別のシーズニングも使ってみようかなと思うと、また新たな発見が待っているようで少しわくわくします。料理の味だけでなく、食卓に並ぶ会話や雰囲気、そのひとときがほんのり豊かになる。そんな時間を過ごせたことに、心から満たされる気持ちになりました。
誰にとってもキッチンは、日常のなかで自分らしさを静かに発揮できる特別な場所なのでしょう。たとえばほんの少し塩を変えてみたり、スパイスを加えてみたりするだけで、思いがけない感動や「今日はちょっと良い日だったな」と思える瞬間につながるのだと思います。どんなに忙しい日でも、小さな楽しみを見つけることで日常は湧き立つのかもしれません。シーズニングの魅力に、少しずつ気づき始めている自分がいます。
料理の仕上がりだけでなく、その過程にほんのりとした楽しさが感じられるのも、このレシピの美点かもしれません。自分のペースでゆっくりアレンジしていくうちに、気付けば手放せないレシピのひとつになっているかもしれませんね。みなさんも、ご自身のスタイルに合わせて、ちょっとした冒険気分で新しいお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。日常のひとコマが、ふわりと楽しくなる予感がします。

