Macの「Mission Control」で作業効率アップ!快適なデスクトップ整理術

Macの「Mission Control」で作業効率アップ!快適なデスクトップ整理術

ウインドウ迷子から卒業して、スッキリした作業空間を手に入れる

「あのウィンドウはどこへ?」

かつての私は、iMacの画面でいくつものウインドウを重ねて作業していると、いつの間にか迷子になっていることがよくありました。とくに集中している時ほど次々とアプリや資料を開いてしまい、気づけば、まるで頭の中がそのままデスクトップに映し出されたようなカラフルな迷路に。苦笑いしながら、目的のウインドウを探しては時間を浪費していたものです。そんな「ウィンドウ迷子」の状態をすっきり解決してくれたのが、Macに標準で備わっている「Mission Control」でした。

以前の記事でご紹介したSplit View(スプリットビュー)は、2〜4つのアプリをきれいに並べるのに、とても便利な機能でしたよね。Mission Control(ミッションコントロール)は、そこからさらに一歩進んで、開いているすべてのウインドウやデスクトップの全体像をひと目で見渡せる、まさにMacの「司令塔」のようなツールです。

たくさんのウインドウの中から目的のものをすぐに見つけたり、作業ごとにデスクトップを分けて整理したりすることで、Macでの作業効率はぐんとアップ。Split Viewが2〜4画面での作業に特化しているのに対して、MacのMission Controlは、Mac全体の作業風景を一望できる、頼れるナビゲーターのような存在です。

この機能を知ってから、私のMacでの作業は驚くほどスムーズに、そしてより快適なものになりました。ウインドウの山に埋もれることがなくなり、まるで複数のモニターを使っているかのような作業空間が、たった一台のMacで実現できるようになったのです。

今回の記事では、Mission Controlの基本的な使い方から、複数のデスクトップを使いこなす応用テクニックまで、私自身の体験も交えながら、具体的な手順とともにご紹介していきます。あなたのMacライフが、もっと快適で、もっと自由に広がっていきますように。

まずはじめに、Mission Controlとは何か。先ほども少し触れましたが、これは、Macのデスクトップで開いているすべてのウインドウや、フルスクリーンで表示中のアプリ、そして「操作スペース」と呼ばれる仮想デスクトップを、ひと目で見渡せるように一覧表示してくれる機能です。

Mission Controlを呼び出す方法はいくつかあるので、自分にとって使いやすい操作方法を選ぶことができます。

・キーボードを使う:もっともシンプルな方法です。キーボード上部にあるF3キー(3つの長方形が並んでいるアイコン)が、Mission Controlキーです。これをポンと押すだけですぐに起動できます。また、「Control+▲」のショートカットキーでも同じ操作ができます。

・トラックパッドを使う:トラックパッドをお使いなら、3本指で上にスッとスワイプするだけで、画面が切り替わり、デスクトップ全体が目の前に広がります。3本指で下にスワイプすれば元の画面にスムーズに戻ります。

・Magic Mouseを使う:マジックマウスをお使いなら、マウスの表面を2本指で軽くダブルタップするだけ。もし反応しない場合は、「システム設定」→「マウス」→「その他のジェスチャ」にある「Mission Control」がオンになっているか確認してみてください。

・ウインドウをドラッグする:少し変わり種の方法ですが、開いているウインドウの上部(タイトルバー)をつかんで、画面の一番上までグーっとドラッグしていくと、Mission Controlが起動します。

どの方法もとても簡単なので、ひと通りのジェスチャを試してみて、自分のスタイルに合ったものを見つけてみてください。私はMagic Mouseなので、ダブルタップのジェスチャをよく使っています。

ここで、ちょっとした笑い話をひとつ。Magic Mouseを使い始めたばかりの頃、私はダブル「タップ」を、ダブル「クリック」と勘違いしていて、何度も「カチカチ」とクリックしては首をかしげていました。設定を見直して、ようやく「タップ」だったことに気づいたときは、呆れながらも思わず笑ってしまいました。今ではそれも微笑ましい思い出です。

さて、Mission Controlを起動できたら、次はウインドウを自在に操ってみましょう。Mission Controlの画面では、目的のウインドウだけを表示することができます。作業に集中したいときや、たくさんのウインドウの中から特定のものを探したいときに、とても便利な機能です。

・特定のウインドウに切り替える:Mission Controlを開くと、現在開いているすべてのウインドウが、タイル状のサムネイルで一覧表示されます。ここから目的のウインドウをクリックするだけで、すぐにそのウインドウに切り替わります。目的のウインドウが一番手前に表示されるので、スムーズに作業を再開することができますし、たくさんのウインドウの中から、探していたものを一瞬で見つけ出せたときの「見つけた!」という小さな喜びが、作業のモチベーションをちょっぴり持ち上げてくれる気もします。視覚的にパッと選べるので、もう「ウィンドウ迷子」になることもありません。

・特定のアプリのウインドウだけを表示する:特定のアプリで開いているウインドウだけを見たいときは、「アプリExposé」という機能が便利です。たとえば、Safariで複数のタブやウインドウを開いてリサーチしていると、「あの情報、どのウインドウだったっけ?」と迷うことがありますよね。そんなときは「Control+▼」のショートカットキー、トラックパッドでは3本指(または4本指)で下にスワイプしてみてください。そのアプリに関連するウインドウだけが表示され、他のアプリのウインドウは一時的に隠れます。特定の作業に集中したいときに、覚えておくととても役立つ機能です。

・ウインドウをグループ化する:さらに、ウインドウをアプリケーションごとにまとめて表示することもできます。「システム設定」→「デスクトップとDock」にあるMission Controlの項目で、「ウインドウをアプリケーションごとにグループ化」をオンにすると、同じアプリのウインドウがスタックのようにまとまって表示されるようになります。これも、デスクトップをすっきりと整理するための、ちょっとしたコツです。

用途によって「Safari」「Edge」「Chrome」などのブラウザを使い分けている方も多いと思います。たとえば、プライベートや趣味で使っている「Edge」から、仕事用の「Chrome」へ、そんなふうに切り替えるときも、Mission Controlを使えば、まるで作業空間ごとスライドするようにスムーズに移動できます。

そして、ここからがMission Controlの本領発揮どころ。面白さがぐんと広がります。Mission Controlを使いこなすうえで、もっともパワフルなのが「操作スペース」です。これは「仮想デスクトップ」とも呼ばれ、作業内容ごとにデスクトップ空間そのものを新しく作ることができる機能です。つまり、ひとつのMacで複数のデスクトップを持つことができるのです。

たとえば、「デスクトップ1は調べもの用」「デスクトップ2は文章作成用」「デスクトップ3はプライベートなSNS用」といったように、作業環境をテーマごとに完全に分けて、それぞれに関連するアプリやウインドウだけを開いておくことができます。

私はデスクトップのひとつをブログ専用にしています。執筆用のテキストツールや「はてなブログ」アプリ、参考資料をチェックするためのブラウザなど、ブログを書くときに使うものだけを集めた空間です。さらにその中でも、その時に必要なものだけをSplit Viewできれいに並べて使うことで、「必要なものだけが、ここにある」という感覚が生まれ、思っていた以上に快適に作業ができるようになりました。テーマごとにデスクトップを分けることで、画面も頭の中もすっきりと整理された状態で作業に取り組めますし、集中力もぐっと保ちやすくなります。

「操作スペース」の基本的な操作法から、ちょっとした応用テクニックまでをご紹介します。

・操作スペースの作り方:新しい操作スペースを追加するのはとても簡単です。Mission Control画面の上部に「Spaceバー」と呼ばれるエリアが表示されるので、その右端にある「+」ボタンをクリックするだけで、新しいデスクトップが追加されます。最大で16個まで作成できるそうですが、私はだいたい3〜4個を使い分けています。

・操作スペース間の移動方法:操作スペース間の移動も、まるでページをめくるようにスムーズです。キーボードなら「Control」キーを押しながら◀︎や▶︎キーを押すだけ。トラックパッドなら3本指(または4本指)で左右にスワイプします。あまりにも軽快な動きなので、最初はなにが起こったのか分からず「え?」と驚きましたが、隣のデスクトップに移動したとわかってからは、使っているだけでちょっと楽しい気分になっています。

・ウインドウを別の操作スペースへ移動させる:開いているウインドウを別の操作スペースに移動させることもできます。Mission Control画面で、移動させたいウインドウを目的の操作スペースのサムネイルまでドラッグ&ドロップします。または、ウィンドウのタイトルバーを掴んで、画面の左端か右端にしばらく押し当てると、隣の操作スペースにスライドさせることもできます。

・アプリを特定の操作スペースに割り当てる:さらに便利なのが、特定のアプリをいつも同じ操作スペースで開くように設定する方法です。DockにあるアプリアイコンをControlキーを押しながらクリックし、「オプション」→「割り当て先」→「デスクトップ」を選びます。たとえば、メールアプリは常に「仕事用」のデスクトップで開く、といった使い方が可能になります。

・操作スペースを削除する:不要になった操作スペースは、Mission Control画面でサムネイルにカーソルを合わせると表示される「×」ボタンで簡単に削除できます。

基本的な使い方に慣れてきたら、もう少し応用的なテクニックにも挑戦してみましょう。

・Split Viewとの連携:たとえば、Split Viewとの連携も簡単です。Mission Control画面で、あるウインドウを、すでにフルスクリーン表示になっているアプリのサムネイル上にドラッグすると、素早くSplit Viewを開始できます。2〜4つのアプリを並べて作業したいときに、とても便利です。

・ファイルやテキストのコピー&ペースト:また、異なるウインドウ間でファイルやテキストをコピー&ペーストするときにも、Mission Controlは役立ちます。あるウィンドウでテキストをコピー(Command + C)した後、Mission Controlで目的のウィンドウに切り替え、そこにペースト(Command + V)する、という流れがとてもスムーズに行えます。

・デスクトップの表示:ファイルをデスクトップに移動させたいときには、ファイルをドラッグし始めた状態で「Command+Mission Control」キーを押すと、すべてのウインドウが一時的に画面の両端に移動し、デスクトップが現れるので、そこにファイルをドロップできます。この隠れた機能を知ったときは、思わず「ほう!」と声が出てしまいました。ウインドウをたくさん開いているときに「あのフォルダはデスクトップにあったかな?」と確認したいときにも便利です。

・設定のカスタマイズ:もちろん、これらの操作に関するショートカットキーやトラックパッドのジェスチャは、「システム設定」の「キーボード」や「トラックパッド」の項目でカスタマイズすることも可能です。作業スタイルに合わせて設定を見直してみるのもおすすめです。

ウインドウ迷子からの卒業!快適なMacライフを

かつては「もう一台モニターを増やした方がいいかな・・・」と考えるほど、ウインドウ迷子に困っていた私でしたが、Mission Controlの「操作スペース」を使って、机の上を片付けるようにMacのデスクトップも整理してみたら、たった一台のMacが、まるでマルチモニターのような広々とした快適な作業空間に早変わり。「ウインドウ迷子」から、すっきり卒業することができました。

Mission ControlとSplit Viewの連携によって、「テーマごとに分けた操作スペース」から「そのテーマ専用のデスクトップ」で、「必要なものだけを見て使う」。すっきりと整理されたMacの中に広がる空間を、自由に、そして快適に行き来できることの心地よさは、気分を軽やかにしてくれて、新しいアイデアが生まれるきっかけにもなります。必要なものに自然と目が向くようになり、作業への集中力もぐっと高まりました。

Mission Controlは、どんなにたくさんのウインドウが開いていても、迷わず目的の場所へ導いてくれる。まるで、司令塔にいるナビゲーターのような存在です。ぜひ、キーボードのF3キーをポンと押してみてください。頼れるナビゲーターに呼びかければ、いつでもすぐに応答してくれて、そこからあなたのMacにも、きっと新しい快適な作業空間が広がっていきます。