スチーム蒸気で 焦げつきを浮かせて しっかり拭き取る
料理が好きなのにあまり得意ではないわたしが、奮発して買ったスチームオーブンレンジ、ビストロシリーズ。使った後のちょっとしたひと拭きや定期的なお手入れで大切に使い続けてきたおかげか、気づけばもう10年以上のお付き合いになるのですが、今でもしっかりと私の料理をサポートしてくれる頼れる存在です。
そんな愛用のオーブンレンジでスープを温めようとドアを開けたある日、何やらドアや内部に飛び散った汚れがあちらこちらに。「ん?昨日まではなかったよね?」と思いつつ、ついでに庫内を照らしてよく見てみると、それ以上に手強そうな油汚れや謎の焦げつきを天井や上ヒーター部分に発見…「いつからこんな状態だったの?」
オーブンレンジは日々の料理で活躍してくれる便利な家電ですが、使えば使うほど油や食材のカスがたまりがち。とくに見落としがちなのが天井のしつこい汚れで、こびりつきを落とす掃除って本当に大変だなと感じます。
今回の記事ではビストロスチームオーブンレンジを例に、オーブンレンジの「頑固な汚れ」をどうやってキレイに落としたか、その方法と体験談をお届けしたいと思います。
使った後のサッとひと拭きって大事ですよね
冷蔵庫や炊飯器と同じように、毎日使うオーブンレンジ。気をつけて使っていても、調理中の油ハネや焦げつきでレンジの中がどんどん汚れていきます。この汚れを放置すると、湿らせた布巾やダスターで拭いても簡単には落ちなくなるので、オーブンレンジを使った後はかならず庫内をサッとひと拭きすることを心がけています。
この使った後の「ちょっとしたお手入れ」がとても大事だと感じています。頑固な汚れを落とす労力とかける時間を思えば、毎回のひと拭きはほんの数秒で些細なもの。汚れをためず、清潔を保つためには、少しの手間が大きな結果につながるのだと、いろいろと経験した10年間を振り返ってしみじみとそう思います。
ひと拭きのポイントはマイクロファイバークロス
そして、私が思うもうひとつの大事なポイントは、ひと拭きの時にマイクロファイバークロスを使うことです。普通の布巾で拭いた時にその違いに驚いたことがありました。調理中、耐熱容器から食材を吹かせてしまった時に、慌てて目の前にあった布巾で拭いたのですが、いつもと違い汚れが残っていたのです。よく見ると、いつものレンジ用と決めたマイクロファイバーのクロスではなく普通の布巾だったことに気がついたのです。
マイクロファイバーは、油汚れがすっきり取れ、繊維や拭き取りの跡が残らないところがとても気に入っています。絞りやすく水切れも良くすぐに乾くので、私にとって衛生面が気になる水回りやキッチンでは欠かせないアイテムなのですが、それに慣れすぎていたせいで、普通のダスターを使った際に気づけたマイクロファイバーとの違いが、逆に新鮮でした。
汚れの種類と基本の対策
オーブンレンジの汚れとその対策について、油汚れ、焦げ付き、飛び散りなど、それぞれの種類や特徴をきちんと知ることが、効率よく掃除を進めるコツになると思います。
- 油汚れ――まず挙げられるのが油汚れ。まず挙げられるのが油汚れ。料理中に飛び散った油が庫内に付着する汚れで、とくにドア周りや壁面に残りやすい特徴があります。油汚れはしつこく、とくにドア周りや壁に残ることがあります。すぐに拭き取れば簡単に落とすことができますが、放置すると固ってしまいます。これには、中性洗剤をしみこませたマイクロファイバークロスで拭き取るのがおすすめです。また、スチーム機能付きであればそれを活用することで、汚れを浮かせて除去しやすくなります。
- 焦げつき――次に焦げ付きについて。これは、食品が庫内の面に直接触れて焼き付くことで発生する頑固な汚れで、通常の布やスポンジでは落ちにくい場合があります。この場合、クリームクレンザーやメラミンスポンジを使って、丁寧に汚れを削るようにして対応するのが効果的です。ただし、フッ素加工が施されている部分は「材質を傷つけないように」注意してください。。
- 飛び散り――そして、意外と厄介なのが食品の飛び散り。ポップコーンや汁物、調味料などが飛び散り、固まって嫌な臭いを発生させる場合があります。とくにタンパク質が含まれる生卵や乳製品、鶏肉や魚などのエキスが乾くと掃除がしづらいです。この場合は、中性洗剤をしみこませた水分多めのマイクロファイバークロスで汚れをふやかして溶かすように拭き取ります。
こうした汚れに対処するには、「とにかく使った後すぐにお手入れする!」これが一番効果的です。この時、ゴムパッキンやガラス扉、ターンテーブル部分などの細かい場所も忘れずに拭きます。そして普段の簡単な拭き掃除に加えて、定期的にしっかり掃除をすることで、庫内を清潔に保てます。
オーブンレンジの掃除が大切な理由
なぜオーブンレンジの定期的な掃除が大切なのかというと、それは清潔さ以外にも安全性や快適性を守るためでもあるそうです。Panasonic(パナソニック)公式ホームページの「レンジのお手入れ」にはこう記載されています。
・レンジの庫内に汚れが付着したまま加熱すると発煙や発火、サビやにおいの原因になります。特に、底面やドアのガラス面に食品カスや油分などの汚れがついていると、割れにつながるおそれがあります。こまめにお手入れをしてください。
・スチーム機能が搭載されている機種の場合は、給水タンク・給水経路のお手入れも必要です。長期間お手入れしないと、給水経路がつまり、スチームが出にくくなる場合があります
また、汚れや食材の飛び散りに対処せず放置してしまうと、次のようなトラブルに繋がる可能性があるそうです。
- 汚れが焦げ付きやすくなる
- イヤな臭いが発生する
- 本来の調理性能が低下する
- 機器の故障につながる
清潔な状態を保つことは、安全面でもとても大切なのですね。
実践スタート! 頑固な汚れとの戦い
「使ったらすぐにお手入れする」そうは言っても、もうすでに付いてしまっているこの頑固そうな汚れはどうすれば?ですよね。私も今までいろいろな方法を試してきました。重曹ペースト、歯磨き粉、レモン水などを使ってみたり、タオルを水に濡らして蒸してみたり、油汚れ専用の洗剤をつけてラップで覆うなど、暮らしの知恵と言われるような方法などで汚れの半分ほどは落ちたのですが、しつこい汚れは残念ながら残ったままでした。
さてどうしましょう。そういえばビストロにはスチームで汚れを浮かせて落としやすくする「庫内」と、ニオイの原因を焼き切って「脱臭」するというオーブンレンジ内のお手入れ機能があるのでした。たまにお魚を焼いた時などは「脱臭」を使う事がありますが、なぜか「庫内」機能を見落としていたのです。今回はこの「庫内」機能を使ってみることにしました。
状況を確認する
今回、徹底して掃除する箇所は、レンジ内部の「側面と底面のしつこい油汚れ」と、「天井に焼き付いた汚れカス」がターゲットです。何度も料理の後にお手入れをしてきたけれど、しっかり向き合うのは久しぶり。
スチーム蒸気で汚れをゆるめて浮かす
まず、ビストロレンジの便利な機能、自動でお手入れする「庫内」で頑固な汚れを柔らかく浮かせることから始めました。レンジ掃除の第一段階としては完璧なスタートと言えるかもしれません。
給水タンクに「満水」まで水を入れて、セラミックカバーを取り出し、ダイヤルを回して「24」番でスタート。スチーム加熱が始まるとたっぷりの水蒸気が庫内を満たします。20〜30分ほどかかるのでその間に掃除アイテムを用意します。
お掃除アイテムを揃える
掃除には以下のアイテムを使用しました。
- メラミンスポンジ
- 食器用中性洗剤
- コゲ落とし消しゴム(底面の汚れ)
- クリーナー剤(底面の汚れ)
- マイクロファイバークロス
- 使い捨て手袋
「コゲ消し」はコゲ落とし剤入りなので水につけて擦るだけ。「コゲトリーナ」はトロリとした液体で、汚れの部分につけてしばらく放置した後に拭き取るだけ。IHヒーター用のようですが、わたしはオーブンレンジの底面の汚れ落としにも使っています。
軽い汚れを取ってから しつこい汚れを落とす
- 「庫内」が終了するとオーブンレンジの内部はスチーム蒸気のお湯のしずくで満たされていました。火傷に注意しながら、一度マイクロファイバークロスで庫内の隅々までキレイに拭き取ります。これで軽い汚れは面白いように取れました。
- 次に、残っている焦げついた油などのしつこい汚れを落とします。スチーム加熱によって汚れが柔らかくなっているうちに、マイクロファイバークロスやメラミンスポンジに、水で薄めた食器用中性洗剤をたっぷりと含ませてから擦ります。この時、天井部分や上ヒーター部分は力を入れすぎず、素材を傷つけないよう注意です。
- レンジ掃除、とくに天井なんかは見えづらい角度なだけに腕と肩が疲れますね。地味に汗もかいてきました。それでも諦めずにクックッと擦り続ければ成果も目に見えてわかるのでやり甲斐もあります。擦って拭いて擦って拭いてを根気よく繰り返し、よし、あと少しです。
- かなり汚れが落ちましたが、まだ小さく点在する頑固な汚れを落とします。IHヒーターのコゲ落としで使っている消しゴムを水につけて擦ってみました。消しゴムのカスが茶色くなるほど汚れが取れているという嬉しい実感。ついでにガラス扉も擦っておきます。
- 底面の文字があるところの汚れってなかなか落ちないのですよね。普段はなるべく食器用中性洗剤だけでオーブンレンジ掃除をしているのですが、しっかりめのお手入れの時にどうしても落ちない汚れがある場合は、IHヒーター用のクリーナー剤をつけてしばらく待つか、換気扇掃除用のクリーナー剤をつけてラップをするか、クリームクレンザーをつけてメラミンスポンジで擦っています。
- その後、マイクロファイバークロスで丁寧に拭き取っていきます。拭き取ってクロスを洗うを何度か繰り返し、指でなぞるとキュッキュッとなったら、再度「庫内」のスチーム機能をスタート。完了した後に水分を拭き取ります。
- 仕上げに、お手入れ機能「脱臭」を使います。ニオイの原因を高温で分解、焼き切ることで脱臭効果やこびりつき防止になるとのことでしっかり掃除の後は必ず使っています。「脱臭」機能がない機器では、オーブンの最高温度で20分間ほど空焼きするとよいそうです。
オーブンレンジのしっかり掃除、完了です!この方法で新品のようにとはいかないにしても、すっきりキレイに頑固な汚れを落とすことができました。所要時間は「庫内」×2回で約1時間、「脱臭」で約20分、擦って拭いてで40分程度。「庫内」や「脱臭」の間はオーブンレンジの外側を掃除したり、グリル皿や角皿、セラミックカバーなどを洗っていたこともありトータルで2時間ほどで終了できました。擦って拭いての時間が思うほどかかっていなかったのは、毎回「使った後のひと拭きの効果」も大きいのではないかなと思います。
ちなみにですが、ビストロのお手入れ機能には他に、給水経路を洗浄する「水抜き」と、水受け皿の水アカをクエン酸で洗浄する「水受け皿」があります。便利ですよね。
しかしここで終わらなかった、想定外の事件
心なしか腕がプルプルと震えているようだけど、心地よい疲労感と、気分もレンジもスッキリとクリアになった清々しさを感じながら、掃除後のコーヒータイムをのんびり楽しんでいると、突然キッチンから「ポンッ!!」というか「ボンッ!!」のような大きめの衝撃音がしました。
何事かと駆けつけてみると、かつては卵だったであろうものがお掃除したてのピカピカだったオーブンレンジの中で四方八方に飛び散っていたのです。小腹を空かせた家族が、自分とわたしの分の「温泉たまご」をマグカップで作ろうとして、黄身に穴を開けるのを忘れてしまったらしく…。
卵って落ちないんですよね。タンパク質が熱で固まったものは落とすのが本当に大変。とくにフサフサとした細かい黄身は拭こうとしても伸びるかポロポロと移動するばかりでなかなかに手強くやっかいなものです。それがわかるのは、私も破裂させたことがあるからなのですけどね。
少し放心してしまいましたが、お腹を空かせていること、おやつを作ってくれようとしたこと、そんな家族のことを思うと泣くに泣けず。気を取り直して再びレンジ掃除をしたのでした。磨いたすぐ後だったこともあってか、たっぷりと水を含ませたマイクロファイバークロスで洗い流すように拭くと、あっという間にキレイにする事ができました。やっぱりマイクロファイバーは掃除にも最適ですね。
そしてその後、今度は忘れずに卵の黄身に爪楊枝で穴を開けてから、温泉卵を作って美味しくいただきました。まろやかなとろみと甘みが口の中で広がると何だかホッとしますね。
こまめな掃除の大切さ
さて、今回のオーブンレンジしっかり掃除。その体験を通して一番大事だと感じたのは、やはり「日々のこまめなメンテナンス」でした。オーブンレンジを「使ったらサッと拭く」ことを習慣にさえしてしまえば、庫内の綺麗さや清潔さはキープできますし、大がかりな掃除の手間を減らすことができます。そしてマイクロファイバークロスの優秀さにも改めて感動しました。
- 使用後はサッとひと拭き
- 定期的なスチーム機能の活用
- 良質な掃除アイテムの使用
最終的にはスチーム機能を用いて汚れを浮かせてから、中性洗剤を使ってメラミンスポンジやコゲ落としの消しゴムでこするのが一番効果的でした。最後の仕上げにマイクロファイバークロスで何度か拭き取ると、見事に輝きを取り戻すことができたのです。
掃除完了後の達成感、そして輝くレンジを見ると、本当に気持ちの良いものですね。お気に入りのスチームオーブンレンジがこれからも長く使えるように、大切にお手入れを続けていきたいと思います。
ふぅ、いい汗流しました!
メモ:Panasonic スチームオーブンレンジ ビストロですが、2025年6月1日に最新モデルが発売するそうなので、買い替えを検討しているなら既存型と併せて考えてみてはいかがでしょう。