Apple Watchでキャッシュレス。Apple Payと電子マネーのかざし方

2025.5.10更新

 Apple Watchでキャッシュレス。Apple Payと電子マネーのかざし方

タッチ決済の時にレジで伝える言葉は?登録のしかたや使い方など体験を交えてやさしく解説

気づけばレジ前で財布を探す手間さえ遠い過去のことのように思えてきました。キャッシュレスという新たな習慣が静かに日常へと溶け込んでいく――手首のApple Watchひとつで会計が完了してしまうその感触は、不思議と自分の生活スタイルにちょうどよく馴染むような心地です。

今朝も玄関を出て「あれ、財布…?」と一瞬探すものの、ひと息ついて手首のApple Watch(アップルウォッチ)に目をやれば「あぁ、必要なものはここにある」と自然と安心感が広がります。iPhoneやApple Watchで使える電子マネーは最初こそ少し勇気が要りましたが、一度使ってみるとその手軽さがじんわりと日常に根づいて、もとの現金を持ち歩く生活にはなかなか戻れないかも、なんて今ではそんな風に感じています。

こちらの記事では、「Apple Watchでキャッシュレスを始めてみたいな」と思っている人や、「Apple Payってどんなものなの?」「かざし方って実際どんな感じ?」とちょっと気になっている人に向けて、自分の日常のリアルなエピソードを交えながら、Apple Watchでキャッシュレスを始める方法をお届けしたいと思います。

Apple Watchで電子マネーを追加したり管理したり、Apple Pay(アップルペイ)を設定する手順で気付いたちょっとしたコツ、ときには思わずクスッと笑えてしまうような失敗談や普段づかいしている中でふとした発見があった瞬間など。生活に寄り添いながらお伝えするなかで「そういえば、わたしも同じ場面を体験したな」と思わず共感したり、「これならやってみてもいいかも」とそっと背中を押せる瞬間がひとつでもあれば、そして読み進めながらご自身の新しいキャッシュレス習慣をイメージしてもらえたら嬉しいです。

たとえば、急いでいるときにスマホを取り出さずに済んだ時のこと、あるいは初めてApple Payで友達とランチを割り勘したときの便利さに驚いたエピソード、はじめてApple Payを使ったときの少しの緊張や、スーパーやコンビニ、混雑した改札で手首をピッとかざす気軽さ、カフェでスムーズに支払いを終えられるときに感じる小さな満足感まで、そのひとつひとつの小さな体験が今の私らしいキャッシュレス生活を形作っています。

とくに、初めてiPhoneでスマホ決済を使う時、「iDでお願いします!」とレジで声をかけたあの瞬間、まだ慣れていない自分に少しだけドキドキしたことをはっきりと思い出します。Apple Watchのタッチ決済を試すときは、腕を差し出す動作も新鮮で、不思議な高揚感がありました。今では日々の当たり前のワンシーンですが、どこか心に残るエピソードになっています。

Apple Watch の Apple Pay に救われた心に残るエピソード

ある日の夜明け前、静かな空気を味わいながら、キャップをかぶり耳にBluetoothイヤホンをセットし、手首にはApple Watchという装備でスロージョグに出かけた自分。まだ明けきらない空と、しんしんと広がる静けさに全身が包まれるこの時間がとても心地よく感じられます。 Apple Musicで音楽を流し、頭の中を空っぽにしながら足を進めると、日常のざわめきが遠ざかって自然な一体感を楽しめます。

ところが、数分ほど走っただけで少しずつ喉の乾きが強くなってきました。もしかしたら空気が乾いていたのか、それとも水分補給がいつもより足りなかったのかもしれません。乾燥した空気が喉にまとわりつくようで息がしづらく、少しずつ心地よさが削がれていくのを感じました。なんとか気を紛らわせようと周囲の景色に目をやりながら走り続けましたが、気分はもう”砂漠で行き倒れる”寸前です。

その瞬間、視界の端にコンビニの明かりがふと目に入りました。その明るさは、まるで暗い道の中で差し伸べられる救いの手のように見えました。「たっ、助かった!」と引き寄せられるように店内に入り、ポカリスエットを握りしめレジへと向かい、なんとか声を振りしぼって「iDでお願いします」と伝え、Apple Watchでタッチ決済。

パキッとボトルを開けてゴクリと飲んだその瞬間、「これぞまさしく砂漠のオアシス」そんな事を思いながら身体中が水分と喜びに満ちていくのを感じました。Apple Watchさえあれば財布がなくても支払いができるというのは、日常の中のちょっとした安心感でもあるかもしれませんね。こうした場面でその便利さをしみじみと実感します。

気づけば、コンビニという存在自体が思わぬアクシデントの時の小さなオアシス。不測の事態に備えてApple Watchでも電子決済をできるようにしておこうと Apple Payを設定しておいて本当によかったです。備えあれば憂いなしということわざを思い出し小さくうなづく出来事でした。

そうだ、Apple Watch で Apple Pay を使えるようにしておこう

そんなハプニングから遡ること数ヶ月。日頃から、買い物は現金を使わずクレジットカードで済ませるようになっていましたが、誕生日に家族からApple Watch Nike+(GPS+Cellularモデル)をプレゼントしてもらったことがきっかけで、万が一財布を忘れてしまった時でも安心できるよう Apple Payを設定しておこうと思い立ちました。

iPhoneユーザーなら誰しも一度は気になるであろうアップルペイ。Apple Watchをはめた手首をかざすだけで支払いができるようになるよとその時に教えてもらい、さっそくiPhoneとApple Watchが財布がわりになるようにApple Walletのアプリを開いたのでした。あらかじめクレジットカードやSuicaなど電子マネーを追加しておけば現金を持ち歩く必要がないので、今では財布を持たずに買い物に出掛けることもよくあります。

手首をかざして支払いをすると、意外と周囲の反応も面白いものです。スーパーではレジに並ぶ年配の方に「それだけで支払えるの?」と驚かれたり、先日は、車のメンテナンス費用を支払う時にディーラー窓口でサッと会計を済ませると「おー、すごい。Apple Watchでそんなこともできるんですね。便利そう!」と言われた時にはまるで自分が褒められたように嬉しく感じました。

私自身、最初は小さな戸惑いがなかったかと言えばそうではありませんでした。Apple Watchを手にした当初はようやくスマホ決済が普及し始めたかなという頃で、レジで「アイディー?」と不思議そうに聞き返されて「電子マネーは使えますか?」と伝えることで理解してもらえるという。そういう環境にいたので、スマホをかざす姿を見かけることはあっても手首をかざして会計をする姿はきっと珍しく、なんだか照れくさく感じてしまってしばらくはiPhoneで会計を済ませていた頃もありました。

近年はスマホやウォッチでのキャッシュレス決済がより日常の中に溶け込み、セルフレジの仕様もキャッシュレスに優しく快適な世の中になりましたね。また、Vポイント(Tポイント)やPontaカード、WAONカードなどApple Watchに対応したポイントカードも増えてきてますます便利になっています。iMacのデスク横に置いたiPhone、そして手首に馴染むApple Watch。それぞれが日々のさまざまな場面で自然なキャッシュレスをそっと支えている、そんな実感を日々深めています。

Apple Wallet、Apple Pay、電子マネーの違いとその関係

Apple Wallet(アップルウォレット)とApple Payの関係ってご存知ですか? Apple Payと電子マネーの違いは?じつは電子マネーをはじめて使ってみる前に予習をしていたのですが、説明文を読んでもあまりピンときていませんでした。実際に使い始めてからその関係性がようやく理解できました。

Apple Walletとは、デジタルの財布。クレジットカードやICカード、チケットやポイントカードなどをひとつにまとめて管理するためのアプリです。

Apple Payとは、支払いを可能にするテクノロジー。Walletに登録したカードや電子マネーを使って支払いをする機能、支払いを実現する仕組みです。

電子マネーとは、クレジットカードや現金の代替。具体的な支払い手段です。

Apple Wallet、Apple Pay、電子マネーの関係性を分かりやすく例えてみると「Apple Walletという財布に入っている、 AEONカードというクレジットカードを使って、 Apple Payというレジで支払いをする」ということなのです。

つまり、Apple Walletというデジタルの財布に入っているAEONカードを、Apple Payという決済サービスを通じて使用する。この流れがキャッシュレスの構造です。 この視点から見ると、Apple WatchやiPhoneは、言うなればデジタル財布が入ったデジタルバッグといったところでしょうか。

電子決済とタッチ決済の違い

電子決済やタッチ決済という言葉、身近に感じるものの、その違いが意外と曖昧なままだったことを思い出します。当時はトピックニュースを読んでいてもなかなか内容が頭に入らず軽く流し読みして終わっていたこともありました。そういう経験もあって、ここで電子決済とタッチ決済の違いを簡単に説明したいと思います。

電子決済は、現金を使わずにデジタルデータのやりとりでお金を支払う方法の総称です。たとえば、クレジットカードや銀行振込などがその代表ですね。電子決済はオンラインでも利用できるので、ネットショッピングでスムーズに買い物ができたり、海外旅行先でも通貨の違いを気にせずに決済できると本当に助かりますよね。

タッチ決済は、電子決済のひとつで、カードやスマホを端末にかざすだけで支払いができる、いわゆる“非接触型”の電子決済方法です。たとえば、駅の改札やお店のレジで、Apple Payを設定したiPhoneやApple Watchなどのデバイスを決済端末にサッとかざすだけであっという間に支払いが完了します。何かに触れずに支払いができるので衛生的にも安心ですし、小銭を探してもたついたり他の人と現金のやり取りをしなくて済むのも気楽で快適ですよね。

まとめてみると、電子決済は広い概念で、そのひとつとしてタッチ決済が存在する、という位置づけがとてもしっくりくる気がします。

Apple Payはどういうところで使えるのか

Apple Payを使える場所は、実は意外と多いです。主要なクレジットカードや電子マネーが対応しているため、ほとんどのショップで利用することができます。このマークがある電子マネーに対応している所ならどこでも使えます。

コンビニやカフェ、スーパーはもちろん、最近では多くの飲食店やショッピングモール、家電量販店やガソリンスタンド、さらにはタクシーやバス、鉄道などの交通機関でも気軽にApple Payでタッチするだけで支払いが済ませられます。混雑する駅や列車の改札口でも、Apple Watchをさっとかざすだけで通り抜けられ、荷物の多い日などは本当に助かっています。

また、PayPayなどQRコード決済にも対応する店舗が増えているため、他の電子マネーやクレジットカードが使えないお店でも、iPhoneやApple Watchだけで支払いを済ませられることもよくあります。この柔軟さは日常のささやかなシーンで嬉しいものです。
さらに便利なのは、オンラインショッピングでも使用することができることです。

Apple Payを登録していれば、スマートフォンやタブレットから簡単に支払いをすることができます。少し面倒な情報入力やクレジットカードの番号入力を省くことができ、よりスムーズなオンラインショッピング体験が可能になります。iMacでサイトを見ながら、iPhoneの通知で支払いを認証する瞬間は、テクノロジーが自然に生活を後押ししてくれるような心地よさを感じました。

最近では、Apple Payでポイントカードを一緒に使える場面も増えたので、コンビニやファーストフード店などで「Apple Payで」と伝えるだけで、Pontaやdポイントが自動で付与されるのも地味にうれしいポイントです。以前なら「ポイントカードありますか?」と聞かれレジ前で焦って財布の中を探していたのに、今はApple Watchだけですべてが済んでしまうので、ちょっとした安心感があります。

Apple Walletアプリにクレジットカードや電子マネーを追加する方法

Apple Payを Apple Watchで使えるようにする方法は2つあり、iPhoneのホーム画面に最初からある標準アプリを使います。どちらの方法もシンプルな操作でスムーズです。
ひとつは、「ウォレット」アプリを開くと、画面右上に黒丸白字の「+」アイコンがあるのでタップします。「ウォレットに追加」からクレジットカードや交通系ICカード、電子マネーを選びます。

もうひとつは、「Watch」アプリを開いて「マイウォッチ」→「ウォレットと Apple Pay」→「カードを追加」→「ウォレットに追加」の順番で操作します。

わたしが最初に追加したのはクレジットカードでした。プラスチックカードを実際に手元に置いておきながらアプリの画面通りに進むだけなので手順で迷うこともなく、カードナンバーもスキャンで読み取ってくれるので1分間ほどで登録できました。

また、カードの種類や発行元によって若干違いもありますが、nanaco(ナナコ)やWAON(ワオン)も、Apple Payの画面から新規発行、または移行が選べます。新規発行の手数料も不要で、残高の初期チャージもすぐに完了し、とても手軽に始められました。WAONやnanaco、もちろん交通系ICのSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)も、細やかな管理が画面の中で一括してできるのです。

ほか、追加できるカードですが、ウォレットアプリで選択肢にないものでも追加できるものがあります。たとえばPonta(ポンタ)カードですが、PontaアプリやPonta Webからウォレットに追加することができます。

ウォレットアプリの選択項目にないカードを追加したい時は、そのカードの公式サイトなどで確認してみられるとよいと思います。もちろんAppleの公式サイトにも使えるお店などさまざまな情報が紹介されているので一度目を通しておくことも安心感につながると思います。

メインカードを指定しておくと便利です

ウォレットに登録できるカードの枚数は、Secure Element(セキュアエレメント)という安全な保存領域の容量によって異なるそうです。iOS17以降では、容量の拡大により30枚以上登録できるとの話があるため、日常生活で使う枚数であれば問題なく追加登録ができると思います。

わたしはクレジットカードのVISA、JCB、マスターカードの3枚と、ほかICカードで3枚の計6枚を登録しています。以前はもう少し多くの枚数を登録していたのですが、使用状況を見直し整理していったら自分の暮らしに密着している6枚だったという感じです。結果、分散していたポイントも貯まりやすくなりました。

Apple Watchでキャッシュレス決済を使い始めたばかりのころ、どんな電子マネーに対応しているのか、スーパーやカフェのレジ横のマークをよく観察するようになりました。nanacoやWAON、QUICPay、iDのマークが出ていれば、Apple Payでの決済ができるサイン。一度コツをつかめば、どんな場所でもスマートに会計ができる安心感を得られます。

失敗談もあります。最初のころ、ウォレットに追加してあるカードの順番を把握していなくて、レジ前で「あれ?QUICPayどこかな?」とあたふたしそうになりました。そんな時は、ウォレットアプリで使いやすい順番に並び替えておくと必要なときにすぐ選べて安心です。

また、よく使うカードをメインカードとして指定しておくと、支払い時にどのカードを使うか選択するというアクションが省けてサイドボタンのダブルクリックだけになるので、より便利かもしれません。

メインカードを指定する方法は、「ウォレット」アプリでは、重なって並んでいる登録済みのカードからメインにしたいカードを一番手前にくるように、軽く押しながらドラッグします。「Watch」アプリでは、「マイウォッチ」→「ウォレットとApple Pay」→「メインカード」からメインカードにしたいカードにチェックを入れます。

メインカードを指定しておくことで、 Apple Watchの右側にあるサイドボタンをダブルクリック(2回押す)で決済用端末にかざすだけになるので、スピーディに支払いを完了させることができます。とくに混雑したレジ前や両手に荷物を持って会計する時など、意外とそのスマートさに助けられています。

Apple Payのかざし方やレジで伝える言葉

これでApple Watchでいつでもキャッシュレス決済ができるようになりました。しかし何せはじめての事。「レジでモタモタしてたら長蛇の列に...という事態は避けたいな」ということで、事前に予習しておこうとレジで電子マネーを使う場面を頭の中でシミュレーションしてみたのです。するとさっそくつまづいてしまいました。「レジで何て言えばいいのだろう?」です。

ここでは、日々の暮らしにより近い買い物シーンでのApple Payの使い方やApple Watchの「かざし方」、ちょっとしたコツを私自身の体験からお話ししたいと思います。近年ではセルフレジが普及しているのでスタッフに声をかけずにレジを済ますこともできますが、声をかける代わりに画面で支配方法を選択することになるので、いずれにしても覚えておきたい事ですよね。

「iDで、QUICPayで、お願いします」

ウォレットアプリに追加されたクレカ画像には電子マネーのロゴが表示されているので、どの言葉を使えば良いか自然と分かります。代表的なものではiD(アイディー)QUICPay(クイックペイ)でしょうか。

レジで伝える言葉は、会計時に使いたいクレジットカードの電子マネーロゴ名を伝えてキャッシュレス決済します。Apple Payに登録された電子マネーでは暗証番号の入力やサインなどをしなくてもクレカ支払いができるので会計がスムーズです。

Apple Payのかざし方は、レジで電子マネーのロゴ名を伝えると「リーダーにかざしてください」とスタッフに促されると思いますので、 Apple Watchのサイドボタンをダブルクリックしてカードを表示させ、リーダーの光っているところに画面を向けてかざします。決済完了の音が鳴れば支払いは完了です。バッグやポケットから財布もスマートフォンも出さず、リーダーの上方から手首をサッとかざすだけなので、後ろに列ができているときや荷物が多いときにもとても便利です。

わたしの場合ですが、AEONカードにiD、MUJIカードにQUICPayが表示されていて、AEONカードをApple Payで使いたいときに「iDで」、MUJIカードをApple Payで使いたいときには「QUICPayで」支払うことをレジで伝えます。この時に、AEONカードのWAONポイントや無印良品のショッピングではMUJIカードの永久不滅ポイントも自動的に付与されるという嬉しさもあります。

「Apple Payで、ポイントカードもお願いします」

コンビニでの買い物では「Apple Payでお願いします」と伝えています。もちろんiDやQUICPayなどの電子マネーで支払えるのですが、この場合、PontaカードやnanacoカードをApple Payに登録し「自動で選択」を設定しておくことで、ローソンではPontaポイントやd(ディー)ポイント、セブンイレブンではnanacoポイントが自動的に付与される場合があるからです。

ローソン:「Apple Payで支払います。Pontaポイント(dポイント)もお願いします」とレジで伝えます。サイドボタンをダブルクリックして支払いカードが表示されたら、 Apple Watchの画面をリーダーに向けてかざします。

セブンイレブン:「Apple Payで支払います。nanacoポイントもお願いします」とレジで伝え、QUICPayで支払います。(注)iDで支払うとポイントは付与されないのでここは気をつけたいところです。

ファミリーマート:Vポイントの付与は「VポイントPayアプリ」からApple Payに登録できるようですが、自分の体験ではないので、詳しくはVポイントPayアプリのヘルプなどを確認してみてください。わたしはiPhoneから「Vポイントアプリ」を開いてモバイルVカードを別途に提示しています。

はじめは「ちゃんと認証できるかな?」と不安になることもありましたが、Apple Watchであらかじめパスコードを入力しておけば、ほんの数秒で認証も済ませてくれるので急いでいる朝などその便利さをとくに体感しています。

近づけるだけのエクスプレスカード機能

急いでいる朝といえば、通勤などで交通機関を利用している人も多いのではないでしょうか。わたしは車がメインですが出張の時は地下鉄なども利用します。SuicaやPASMOをApple Watchに追加して「タッチ決済」対応の改札を通る時、Apple Watchを触ることさえなく軽くかざすだけでスムーズに通過できる快適さに、何度経験してもいつも小さく感動します。

このサイドボタンをダブルクリックなしで読み取ってくれるエクスプレスカード機能は、「ウォレット」アプリや「Watch」アプリで交通系ICカードをエクスプレスカードに設定すると自動的に有効になります。エクスプレスカードに設定されたICカードは、サイドボタンをダブルクリックせずに、改札の読み取り機に近づけるだけで認証が完了します。

エクスプレスカードに設定していないSuicaやPASMOを利用する場合や、タッチ決済に対応していない改札では、通常どおりサイドボタンをダブルクリックしてApple Payを起動、使うカードを選び、 Apple Watchをかざします。

改札口の朝の混雑さを思うと、よく使う交通系ICカードをエクスプレスカードに設定しておくだけでより快適に改札を通過できるので、交通機関をよく使う人には便利な機能だと思います。改札前でポケットやバッグをガサゴソしなくてもいいので、わたしはちょっとした気持ちの余裕を感じられます。

交通系ICカード以外にもエクスプレスカードに設定できるクレジットカードがあるので、ウォレットに登録したもので該当するものがあるか一度「ウォレット」アプリでエクスプレスカード項目を確認しておくと選択肢の幅が広がると思います。

Apple Payのセキュリティと安心感

Apple Payは、わたしに便利さだけでなく、毎日のちょっとした心配をそっと取り除いてくれるようなふわりとした安心感をくれました。もしもの時に心配しなくて済むというのは大きな魅力だと感じた出来事がありました。

ある日、ショッピングモール内のカフェに寄って本を読んでいた時のことなのですが、ふとApple Watchが手首にないことに気づいてかなり焦りました。店内をあちこち探したり、iPhoneの「探す」アプリを起動したりしてドキドキ…。その時、「探す」機能がちゃんと連携していて位置情報が確認できたり、「Apple Payを一時停止」にすぐ対応できる安心感をしみじみ実感しました。

あわてながらも何とか対応して、落ち着いて自分の行動を振り返ると、手首より上の方まで手を洗うためにApple Watchを外したのを思い出したのです。結果的にはバッグの奥に落ちていただけで無事に見つかるのですが、こうした時のための対策がしっかりと用意されていることに、変な汗をかきながらも心の底からホッとしたものです。

家族や友人とキャッシュレスの話題になると、この時の体験を交えながら「Apple WatchのApple Payは本当に安心で便利だよ!」とすすめたくなります。「クレジットカードや現金を持ち歩かなくてもいい」「不正利用の心配が減る」「紛失してもすぐ対応できる」など、気づくと熱く語っている自分に少しだけたじろぐ事もあったりしましたが、財布を落としたり無くしたりすると本当にヒヤリとしますし、リスクはできるだけ少ない方がいいですよね。

大事な電子マネーやクレジットカードがApple Payのウォレットにまとめられていると、落としたり盗まれたりしてもカード番号などの情報自体がAppleのサーバーやデバイスに保存されていないとのことで、プライバシーやセキュリティの面でもずいぶん守られている感じがします。これはApple WatchでiDやQUICPayなどの電子マネーを日常的に利用するようになってから、より強く意識するようになりました。

そしてApple Watchをデバイスとして使うからこそ、セキュリティ面の細やかな配慮がされていることに安心感があります。パスコードでのロック解除が必要なので、誰かが勝手に使うことはできませんし、手首から外すと自動的にロックがかかるのも嬉しいポイントです。気がつくと、自分自身だけが使える“デジタルなお財布”として、すっかり手放せなくなっていました。

いろいろな場面でちょっとした「ヒヤリ」を経験するたびに、Apple PayとApple Watchのセキュリティの強さを再認識します。生活に溶け込んだキャッシュレス決済だからこそ、小さな安心が積み重なっていく——そんな実感があります。友人や家族にも自信を持っておすすめできる理由は、単なる便利さ以上に、この「もしもの安心」が支えてくれているからなのかもしれません。

Apple WatchとiPhone、それぞれで使うApple Payの違い

さて、Apple WatchとiPhoneの両方で使えるApple Payですが、それぞれの特性に合わせて使い方に違いがあります。

まず認証方法ですが、 Apple Watchでは、 Apple Watchを装着した状態でパスコードを入力してロックを解除しておきます。決済時にはサイドボタンをダブルクリックして決済端末にかざします。手首から外すまで再認証は不要で、手首から外した時に自動的にロックがかかります。

iPhoneでは、サイドボタンをダブルクリックしてFace IDまたはTouch IDによる生体認証、あるいはパスコードを入力し決済端末にiPhoneの上部をかざします。

また利用シーンでは、 Apple Watchでは、両手に荷物を持ったままでも簡単な動作で素早く支払いができます。iPhoneでは、タッチ決済だけでなくPayPay(ペイペイ)などのQRコード決済や店舗専用のアプリを通して支払いたい時に便利です。

たとえば、ドラッグストアのウエルシアでは専用の「ウエルシアアプリ」を開くと、1画面にVポイントとWAONポイントが付与されるバーコードが並んで表示され、そこからPayPay支払いもできます。PayPay以外の支払いならそのままiPhoneのサイドボタンをダブルクリックしてApple Pay支払いができるので便利です。わたしは、UNIQLO(ユニクロ)アプリでクーポンを利用したり、お店のアプリでポイントを貯めたい時にiPhoneのApple Payを使っています。

その時々の利用シーンやライフスタイルに合わせて Apple WatchとiPhoneを使い分けるのがおすすめですし、私自身ではどちらを使うか何を使うか選ぶひとときも楽しい時間になっています。

Apple Watchモデルの違いとApple Pay

Apple Watchには、GPS(ジーピーエス)モデルとCellular(セルラー)モデルの2種類が用意されていますが、主な違いは、 Apple Watch単体でモバイル通信ができるかどうかです。

GPSモデルは、iPhoneやWi-Fi環境が近くにある場合のみApple Payで支払いができます。Cellularモデル(GPS+Cellularモデル)は単独でモバイル通信ができるので、iPhoneやWi-FiがなくてもApple Payで支払いができます。

GPSモデルでは、iPhoneがバッグやポケットに入ったままでも、近くにあればApple Payで支払いができます。ただし、改札でのタッチ決済の場合だけは、iPhoneやWi-Fiが近くになくても、エクスプレスカードが設定されていれば回数や金額による制限はありますが利用可能だそうです。

わたしはCellularモデルなのですが、理由はいくつかあって、まず、屋外でランニングしたりフィットネスクラブで身軽に動き回りたかったこと。そして、その時に音楽を聴いてテンポよくモチベーションを保ちたいというのも理由のひとつです。もうひとつ大きな理由が、私自身、感音性難聴という聴覚障害があって電子音や高音がまったく聞こえず、バイブレーションの振動音にも気づけないことがよくあります。なので、常に肌に触れて通知を触覚で感じられるApple WatchのCellularモデルになりました。

そのおかげと言ってはなんですが、Cellularモデルだったことで、iPhoneを持ち歩いていない屋外のスロージョグ時でもコンビニでApple Payを使ってポカリスエットを買うことができたのでした。

最初は財布を忘れた時のためにApple Payを整えておこうと思ったことがきっかけでしたが、 Apple WatchでApple Pay支払いする簡単さやスピーディさを体験してしまうと、会計時に自然と手首を準備するようになっている今日この頃です。

以前はカード会社によっては、ウォレットアプリにカードを登録してもApple Payで使えるよう認証の電話連絡が必要なものがありましたが、今ではその必要もほとんどなくなっているようです。聴覚障害のあるわたしは電話越しの言葉が聞き取りにくのでApple Payで使うのを諦めていたカードがあったのですが、つい先ほど試しに再登録をしてみたところ、スムーズに設定できました。これはささいな事かもしれませんが、私にとってはとても嬉しい事で思わず小さく飛び上がってしまいました。

これからも様々なサービスやショップでもApple Payが使えるようになっていき、より手軽に利用できるキャッシュレス化が進んでいくのでしょうね。そしてApple Payを利用することでますます安心したお買い物体験を得ることができるようになるのでしょう。日々の生活がさらに便利でスマートなものになっていくのが楽しみですね!