朝はまだまだ肌寒いですね。いつものようにホットコーヒーで体を温めつつ目を覚まそうと、コーヒーメーカーにフィルターをセットしました。コーヒーは、いれたてをブラックでゆっくりと飲むのが好きです。
コポコポという音がしなくなったので、そろそろ出来たかなとコーヒーカップを手にし向かった先には・・コーヒーメーカーでお湯が沸いていました。寝ぼけてコーヒー豆を入れ忘れたようです。
コーヒーをいれる、の「いれる」ってどの漢字?
コーヒーをいれ直している間に、ふと思った素朴な疑問について調べてみます。コーヒーを作る意味での、コーヒーを「いれる」漢字ってどれだろう?
今までは、コーヒーを「淹れる」と書いていました。焙煎された香ばしいコーヒー豆がお湯を含んでプクプクとあふれ出すような感じには「淹れる」という漢字が、しっくりくるような気がするというイメージからです。
どの漢字?
ブログを書くようになってから、辞書サービスを活用することが増えました。今まで普通に使っていた言葉や表現が、間違っていたり思い違いだったり、実は方言だった、ということにひとり驚いていたりなんかします。
そんな調子なので、書こうとしてふと疑問を感じたりつまずいたりした時には、サッと辞書や検索で調べるようになりました。
コーヒーを、淹れる・煎れる・入れる?
コーヒーを「いれる」に使う漢字は?大人になってからの国語の勉強は、なぜか、好奇心が尽きない子供の頃よりも楽しくできました。不思議です。
大好きなコーヒーのことだからでしょうか、答えは目の前のパソコンの中にすでに揃っているからでしょうか。さっそく調べてみたことをおさらいがてら、まとめてみたいと思います。
コーヒーを「いれる」と表現するのは、お茶の文化から。
日本では、奈良・平安時代に中国から仏教とともに伝わったお茶をたしなむ文化が、禅の影響を受けながら日本の文化の「客人をもてなす茶道」となり、おもてなしとして日常生活に活かされてきました。
「日本文化のお茶」と「西洋文化のコーヒー」の関係
そこで新たに加わってきた西洋文化からのコーヒー。明治時代、文明開化への憧れもあり、「ハイカラ」な飲み物としてカフェ文化の風が日本に吹き、一般家庭にも広まってきました。
そういった背景もあり、コーヒーはお茶と同じように「いれる」という表現がされるようになりました。コーヒーを「いれる」という表現は、お茶の文化によるものなのですね。
「お茶をいれる(たてる)」について書かれている他の記事なども読んでみたのですが、淹れる・煎れる・入れる・点てるの言葉それぞれに風情を感じさせる日本の茶道、素敵ですね。
どの漢字を使っても間違いではなかった。淹れる・煎れる・入れる。
- 淹れる・・・お湯を差したり、お湯に浸して抽出する
- 煎れる・・・火にかけたお湯の中にいれて煮出す
- 入れる・・・淹れると同じ意味、淹れると煎れるの両方の意味を兼ね備える、注ぐ、混ぜる、外側にあるものを内側に移す
「淹れる」と「煎れる」の両方の意味を兼ね備えているのが、「入れる」になります。
「淹れる」も「煎れる」も、その両方の意味を含める「入れる」も、コーヒーを「いれる」には、どの漢字を使っても間違いではないというでした。
「淹れる」という漢字は使えるの?
いくつかの記事を読んでいると「淹れる」という漢字について常用漢字ではないとの記載をよく目にしました。使えないの?と思ったのですが、そうではないようです。
「淹れる」と「煎れる」は、常用漢字ではありません。つまり「入れる」だけが、義務教育課程で学習する漢字ということになります。
常用漢字とは、個々人の漢字の使用を制限するものではありません。しかし、不特定多数の人を対象にした情報の場合は、常用漢字の範囲内で記述される方が好ましいようです。
常用漢字ではないからと言って使えないのかというとそうでもなく、「いれる」とキーボードを打てば、変換候補に「淹れる」という漢字がちゃんと表示されるので不便なく使えています。
変換の候補にもあるということはそれだけ使う人がいるということにもなるのでしょうか。
どの漢字も使えるのなら、どれにする?
「淹れる」も使えることがわかりましたし「淹れる」「煎れる」「入れる」どの漢字もコーヒーを「いれる」に使えるということもわかりました。どれを使う?
「入れる」はコーヒーを「作る」の意味だけでなく、カップに「注ぐ」という意味でも使われますので、難のない表現だと言えます。
しかし無難な表現の「入れる」が、注ぐという意味でも使われているということは、「コーヒーをドリップする」「コーヒーを作る」こととは、少し意味合いが違うような気がしますし、伝わりにくいのではないかなとも感じるのです。
それならば、どの漢字も使います。ひらがなもね。
どの漢字も使えるなら、使いたいと感じる漢字を使って、コーヒーを「いれる」ということを感性の赴くままに表現するのも、その人となりが感じられていいなと思います。
また、コーヒーの作り方によって、「淹れる」「煎れる」「入れる」「いれる」を使い分けるのも、よりコーヒーの色や香り、味わいをイメージできて美味しそうです。
その日の気分とイメージで
大手コーヒーメーカーやスターバックスなどのコーヒーショップでは、ひらがなを使っていることが多いように思われます。それもまた時代に合わせた言葉の柔らかさや親しみやすさを感じますね。
私が文字から受けるイメージは、コーヒーを作ることを「淹れる」、カップに注ぐことを「入れる」ですので、基本はこの表現でいこうかなと思います。
あとは、その時の気分で、いきましょう。
ついでながら、わが家のコーヒーの淹れ方
時間にゆとりがある時には、コーヒーミルでコーヒー豆を挽き、サイフォンやペーパードリップ、プレス式で一杯一杯を丁寧に楽しみながら淹れることもありますが、
普段はメリタ(Melitta)のアロマサーモが大活躍です。コーヒー好きなわが家ではアロマサーモで一気に10杯分を淹れます。「煮詰まらない保温ポット」ですので、美味しいコーヒーを熱いままでいつでも飲むことができます。
リピートして現在は2代目です。
コーヒー豆はその時々によって、味見してみたいなと興味を持ったものを購入しています。美味しいと感じる好みは人それぞれなので、その時の自分の味覚に合ったコーヒー豆に出会えると嬉しいですよね。
淹れる水
そして、そのコーヒー豆のために美味しい水を使うことも大切です。料理や炊飯時にも使いますが、どちらかというと飲み物の風味をジャマしないために浄水器を常設しています。
現在は浄水に整水の機能を備えたコンパクトなアルカリイオン整水器を使っています。そのまま飲んでも、コーヒーや紅茶にしても、まろやかで美味しい水です。
調べてよかった。
たとえば「淹れる」。使えるけれど常用漢字ではないということは、私はどうやって「淹れる」という漢字を知ったのでしょう?パソコンを使うようになり、さまざまな文章を目にするようになってからかもしれません。
たくさんの情報にあふれていて混乱することもありますが、浮かんだ疑問をきっかけに、調べながらひとつひとつ進んでいくのは楽しいですね。
そして自分なりに答えをつかむ事が出来たときは嬉しいです。いろんなブログやサイトに出会えるのも楽しみのひとつです。
知るって面白い
インターネットの環境が整っている現在、教科書や本や語り伝えなどでしか知り得なかった以上の、昔や背景を知り、時代を知ることが出来る。あらためてそう思ってみると面白いですね。
日本の文化を適度に持ちつつ、時代の変化にも柔軟でありたいなと思いました。
ちょうど食後のコーヒーが出来ました。
ふぅ、美味しいです..