iPhoneカメラのフラッシュ、活躍するのはどんな時?
正直なところ、光で浮かびあがる被写体がどこか不自然な感じがして、いまひとつフラッシュの使いどころがわかりませんでした。
しかし思わぬところで、フラッシュの素晴らしい活躍を見ることができたのです。別記事になります「水の動きを撮影。iPhoneカメラのスローモーションで癒されました」では、光のあたる水の動きがとても素敵なのです。
スローモーション撮影でのフラッシュの有る無しの違いには目を見張るものがありました。そのように活躍するシーンが他にもきっとあるはずです。
いつものように撮り比べて実験です。※iPhone 6 Plus
True Tone フラッシュとは、
True Tone(トゥルートーン)フラッシュとは、光の強度や色を、状況や被写体に合わせて自動で調整し、発光、照射する機能です。
一般的な白色LEDライトと琥珀色(アンバー)LEDライトが生み出す自然な光で、暗い場所などでの被写体を、より自然な明るさと最適な色温度で撮影することができます。
フラッシュを使って撮影する方法
フラッシュは、写真撮影(写真・スクエア)と、ビデオ動画撮影(ビデオ・スローモーション)の各モードで使うことができます。パノラマとタイムラプス以外ということですね。
※前面にあるインカメラでのフラッシュ撮影はできませんが、iPhone 6s / 6s Plusでは、新搭載された「Retina Flash」機能で画面を発光させ、フラッシュとして利用することができるようです。便利ですね。
フラッシュを設定する
撮影モードを選ぶと、画面左上にカミナリ型のアイコンがあります。フラッシュ設定アイコンです。初期設定では自動になっています。
フラッシュを使いたい時は、をタップし表示された「自動・オン・オフ」から「オン」をタップで選択します。
- オンの時は、オフの時は、自動の時は、でアイコンが表示されます。
- オンや自動設定でフラッシュが作動する時には、下部に黄色いマークが表示されます。
- 「自動」設定では、iPhoneが周囲の明るさを感知し、必要と判断した時に自動的にフラッシュを作動させます。
- 暗い場所でもフラッシュを発光させたくない場合、意図しない時に発光するのが困るようでしたら「オフ」に設定し、必要な時だけ「オン」にするとよいですね。
HDR機能との関係「自動・オン・オフ」を選ぶ時には気をつけよう
- 「HDR機能をオン設定」→ フラッシュは作動しません。
- 「フラッシュ機能をオン設定」→ HDRは作動しません。
- 「フラッシュとHDRの両方を自動設定」→ iPhoneカメラが綺麗に撮れる方を選んで撮影します。フラッシュが必要ない明るい場所ではHDR機能で撮影されます。
どんな時に使う?フラッシュの使い方
シチュエーションを変えながら、どのように写るのか撮って観察してみることにしました。よいとこ探しスタートです。
以下、左は通常写真、中央はHDR写真、右がフラッシュONでの撮影になります。
1.明るい場所でフラッシュ撮影
まずは、電気のついた部屋で。いま飲んでいたセブンイレブンの「40種の野菜と果物」ジュースです。ガラスコップについた小さなホコリまで見えます。黄色っぽくなりました。
ピンクユニコーンのぬいぐるみです。反射してキラキラな毛並みに。寒色系になるのは背景の色にも関係するのかな?と白い壁の前でも撮影してみましたが同じでした。
反射しないものはどうでしょう。キャンバス生地のペンケースです。白もピンクも鮮やかなのになぜか全体的に薄暗く感じます。フラッシュを使用した時に感じていた不自然さのイメージに近いです。好みの問題なのでしょうか?んー。
肌色がキレイに写るということで、なんとなく肌に近そうなコルク素材のコースターです。コルクではHDR写真の色めが好きですが、実際に手を撮ってみたところ、フラッシュのあたる角度によって、反射したりいい具合の肌色になったりしました。
接写してみました。反射するものとしないものを混ぜて近寄ってみました。周りが暗くなると存在感が違いますね。ベビーチーズがぐっと主張しています。真上からこの距離で撮るとラベルが白とびして真っ白になりました。
反射するもの しないもの を真上から。チーズがピカピカしています。しわが浮きぼりに。背景は白めの陶器のお皿ですが、暗くなりましたね。
離れてみました。フラッシュの直撃からもっと離れてみたかったのですが、ベビーチーズが見えなくなりそうだったのでギリギリで。暗い部分の面積が増えて少しさみしい感じがします。HDR写真のベビーチーズの可愛いさ・・
ここまでを見ると、明るい部屋や場所では、HDR機能を使った方がキレイに撮れるようなので、フラッシュの活躍はあまりないかもしれませんね。
また、反射する被写体や、接写での撮影は、白とびしてしまう可能性があるので、フラッシュはオフにした方が良さそうです。
明るい場所では、フラッシュ効果を確認しようとしてHDR機能の良さを再確認できました、というような感じとなりました。
2.暗い場所や夜間でフラッシュ撮影
では、暗い場所や夜間ではどうでしょう。フラッシュといえば、暗所撮影でこそ本領を発揮するというイメージです。
暗い場所で。雨上がりの夜を撮影してみました。小さな街灯がある場所です。近い部分は白くなりがちで、遠い部分は見えなくなってしまいましたが、
中間の距離(1mくらい先)では、見えづらいものが見えるようになりました。ひょろんと伸びているものは撮った後に写真を見て気がついたのです。
もっと暗い場所で。わりと遠くまでの範囲が明るくなるのですね。遠くにあるわずかな灯りや雨上がりで少し光った路面部分は、フラッシュの光に負けて見えなくなりました。
イルミネーションの輝きなどでは、フラッシュをオフにして、タップフォーカスやAE/AFロックで露出を調整しながら撮影した方が綺麗に撮れやすいようです。遠くの夜景ではそもそもフラッシュの照射が届かないのでオフですね。
いま思い出したのですが、iPhoneカメラには、暗所撮影をより明るく鮮明な写真にする裏面照射型センサー機能があるのですよね。となると、
暗い場所では、フラッシュは用途やイメージに合わせてそこそこ活躍する、といった感じでしょうか。
3.さすがです。真っ暗な場所でのフラッシュ撮影
真っ暗な場所に、ジンジャーエールを置いてみました。どこにあるのか目を凝らしてもわからないほど真っ暗なのでオートフォーカスも困っていましたが、
とりあえずiPhoneカメラを向け、フラッシュが発光しシャッターがきれる一瞬の間に、なんとか被写体を真ん中に持ってきて撮影してみようと少しあわてたのですが、なんとiPhoneカメラは撮るのを待っていてくれるのですね。
フラッシュでなければできないこと、見つけました!
正確に言うと待っていてくれるわけではなく、オートフォーカスが被写体をキャッチしピントを合わせるまで、シャッターボタンを押してもシャッターはきらないようです。(とは言っても数秒ですが)
その間はフラッシュも発光し続けているので、被写体を思う構図に置くことができるのです。真っ暗闇でもこんなにくっきりはっきりと撮れました。
綺麗ですね、ジンジャーエールの琥珀色。
真っ暗な場所でも、あきらめずにフラッシュをオンにして撮ってみるのもよいですね。思いがけずキレイな写真が撮れるかもしれません。
人物を暗い場所で撮る時に、フラッシュで赤目や白目で撮れてしまうことがありますが、iPhone写真アプリの編集機能で赤目補正ができるので大丈夫です。
しかしLEDの光はまぶしく感じてしまうものですので、被写体との距離が近い場合や、小さなお子さんや動物達を撮る時などは気をつけてあげたいですね。
4.逆光でのフラッシュ撮影
逆光での撮影の場合、通常は被写体が暗くなりますが、タップフォーカスで暗い被写体にフォーカスさせると、光と被写体の両方をある程度の明るさで撮影することができます。
暗い部分であるベビーチーズにタップフォーカスすると、下のAF画像のように撮影できます。フラッシュをオンにすると、光はぐっと落ち着いた感じになり、ベビーチーズを鮮明に撮影することができました。
5.水や雫をフラッシュ撮影
雨上がりの夜のライトアップされたシンボルツリーです。フラッシュでできた影が写真全体をシャープで引き締まった感じにさせますね。見えなかった雫がキラキラと光って撮れました。
そうです。水です。フラッシュは水を撮る時に抜群の効果を発揮してくれるのです。雫もそうですし、ジンジャーエールも、そしてスローモーション動画撮影での水の動きも、フラッシュをONにすることで、とても綺麗に素敵に撮影することができるのです。
6.ビデオ動画をフラッシュ撮影
スローモーションや通常のビデオ動画撮影では、フラッシュをオン設定にしておくと、撮影中はずっとスポットライトのように照らし続けてくれます。
夜や暗い場所ではもちろん、撮影中に影になることがあっても安心ですね。
フラッシュが活躍するのはこんな時。でした
フラッシュの使いどころがよくわからなかったスタートでしたが、フラッシュ撮影のよいところ、フラッシュが活躍するところ、撮って観察してみることで、たくさん見つけることができました。
- 真っ暗な場所で撮影する時。
- 逆光の場所で撮影する時。
- 水や雫の、透明感やキラキラ感を撮影する時。
- 動画を撮影する時。
適材適所、使い方って大事ですね。不自然さを感じていたフラッシュへのイメージが変わりました。フラッシュの良さを活かせていなかっただけでしたね。
フラッシュの活躍を見れてよかったです!
P.S. 面白いの見つけた。
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