iPhoneカメラで雪を撮影する。
雪が降った時、雪の白さや質感などを損なうことなく、しんしんと舞い降る様子や柔らかで趣きある冬風景、クリアで澄んだ雪景色など、雪のある光景を表情豊かに撮影してみたいものですよね。
ちょっとしたコツ、iPhoneのカメラ機能や、身の回りにある透明アイテムなどを利用すると、iPhoneカメラでも雪をキレイに撮影することができるのです。
雪の撮影でよくある困りごと。
雪を撮ってみたら「雪が雪に見えない」ことってありますよね。よくある例としてこのような事が多いのではないでしょうか。
- 空から降ってくる雪を撮ったら、チリやホコリのように見える。
- 降っている雪を撮ったら、背景になじんでしまって雪が見えない。
- 積もった雪や雪景色を撮ったら、白飛びする。
- 写真全体が薄暗くなる。
これらの困りごとは、雪への光(明るさ)をコントロールすることで解決する場合がほとんどかもしれません。
雪の撮影:コツ①は、光を利用する。
太陽光や反射光などの自然光。夜であれば、建物の明かりや街灯、信号などの光。iPhoneカメラ機能ではフラッシュ光。それらの光を利用して撮影すると、雪をキラキラさせたり玉ボケさせたりすることができます。
※今冬はまだ雪が降っていないため、イメージ画像で進めていきたいと思います。
降っている雪を撮影する
- フラッシュを使って撮影する。この時にピントを奥側に合わせると照射が届く手前の雪がかわいい玉ボケの光になります。※フラッシュをオンにした場合はHDR機能は作動しません。
- 灯りがある場所での夜間撮影では、灯りを利用しフラッシュはオフでHDR撮影すると雪とその背景もキレイに写ります。
- 向こう奥側に光や灯りを配置する。降る雪の様子が撮影できます。ぼた雪などの湿雪では丸や楕円形に、粉雪などの乾雪やみぞれでは線状などに。
- 街灯やライトの色めによって、降る雪や積もった部分がカラフルになります。
- 背景に濃い色や黒っぽい色のものがあるようにすると降っている感じを出しやすいこともあります。
公園内の並木道などでは、街灯もありますし、降っている雪、枝に積もった雪、道に積もった雪が、幻想的な演出をしてくれますのでおすすめポイントです。(夜間のひとり撮影はお気をつけて)
ライトが濃い黄金色やグリーンの場合、雪への反射で明るくなった濃紺の夜空に降る雪がとても映えます。ハッと息をのむような美しさに撮れることが多いので、見つけたらぜひ撮ってみてください。
積もっている雪・雪風景を撮影する
- 冬晴れの青空の日に。雪風景が映えます。
- 冬晴れの朝に。雪が青っぽく見えるので空気の透明感が感じられます。
- 反射光を利用する。ローアングルや接写で。積雪の表面がキラキラ光ります。
- 逆光を利用する。ふんわり感や温かみが出ます。
- 光と影を利用する。樹々や柵の影、轍(わだち)の模様、足跡や人影など、単調になりがちな雪景色に動きを出せます。
雪の撮影:コツ②は、光の量を調整する。
太陽光を浴びて雲が白く見えるように、雪に光をあてたり光の量(露出)をコントロールすることによって、その白さを際立たせたり存在を強調させることができます。
太陽が隠れがちな冬の空は薄暗いことも多いのですが、それでも大丈夫。雪を明るく見せる方法はいろいろとあります。
iPhoneカメラ機能「HDR」オンで撮る
雪を撮影するシチュエーションや時間帯によって撮影のコツは若干異なりますが、雪をテーマにした写真を撮る時に基本として使いたいのがiPhoneカメラの「HDR」機能です。
HDR機能をオンに設定しておくと、明るさの違う3枚の写真を瞬時に撮影、合成し、露出バランスの良い写真を撮ることができます。また、白飛び防止の効果もあります。
iPhoneカメラ機能で露出をコントロールする
iPhoneカメラにも、オートフォーカスが自動で露出やピントを、裏面照射型センサーが暗い場所でも鮮明に撮影できるように働いてくれる頼もしいオート機能があるのですが、
全体的なバランスから補正するため、真っ白や真っ黒なものが中間色であるグレー寄りになることもあるのです。
そこで思うような雪の白さにするために行う操作が、露出のコントロールです。露出補正ですね。
露出のコントロール方法は、画面をタップ(タップフォーカス)しながら好みの明るさになる位置でAE/AFロックをしたり、AE/AFロックをしてから露出コントロール(太陽マークをスライドさせる)で雪が一番映えるような明るさに調整します。
- 背景に濃い色のものがあるようにすると雪が写りやすい。
- 暗すぎる場合は画面の明るい部分をタップしてみる。(暗い部分が明るくなる)
- 明るすぎる場合は画面の暗い部分をタップしてみる。
- ピントを合わせたい被写体がある場合は、AE/AFロックでピントを合わせてから、黄色枠の横に表示されている太陽マークをスライドさせて明るさを調整する。
雪の撮影:コツ③は、光を補正する。
カメラ機能を使ってがんばってみたけれど、思う明るさまで露出を上げると雪が白飛びしてしまう、逆に露出を下げると暗い部分が黒つぶれして雪が見えない。フラッシュが使えない場所、上手に調整できない、そんな場合は、
- ひとまず暗くても撮りたい構図やアングルで「HDR」撮影します。
- その後、撮影したHDR写真をアプリなどで編集補正します。
撮影時に露出を調整するよりも、撮影した写真をアプリでワンタップ補正する方が簡単だったりします。
iPhone写真アプリの編集機能で補正する
撮影後の写真を、「写真」アプリの編集機能で、曇り空を晴れ空で撮影したように露出補正したり、ホワイトバランス(色温度)を調整したり、コントラストで背景とのメリハリを与えたりすることができます。
・編集でのコツ
先に露出や明度を大きく調整してしまうと、後で彩度やフィルター加工したい時に白飛びしてしまう部分が発生する場合がありますので、
シャドウ・ハイライト・コントラストなどで、雪と背景とのメリハリ加減を調整してみてから、彩度・露出・明るさなどを交互に微調整していくと、補正しやすいかなと思います。
App写真アプリで補正する
Photo fx:雪の質感やホワイトバランスの補正プレビューをワンタップで一覧にして確認でき、そこからワンタップで選択したエフェクトの強弱も一覧に。
そこからさらに微調整も簡単操作で行うことができますので、スピーディーに補正を進めたい方、補正が苦手な方や初心者の方にもおすすめのアプリです。
- 接写や細かい被写体などの場合では、線をくっきりシャープにしてくれる「Sharpen」のエフェクト率を上げてから、他の編集を行うと良いです。
- ふわふわ感や柔らかさを活かす場合でも、「Sharpen」でシャープにした後に、「Mist」系や「Soft」系のエフェクトを重ねると、白飛びもしにくいようです。
他、編集機能が充実した優秀アプリでは、以下の2点。シャープ機能もあり、暗い写真も白飛びを押さえつつ明るい写真に補正してくれます。
Camera+:
Instaflash Pro : ※細やかな補正機能を希望でしたら、無料版から内課金でグレードアップさせるよりも初めからPro版を購入するのが価格的にお得なようです。
iPhoneカメラで雪をキレイに撮るには。
まとめますと、iPhoneカメラで雪をキレイに撮るポイントは、雪に光があたるようにする。雪が明るくなるように光の量を調整する。大きく分けてコツ①②の2つです。
- 光を利用して(コツ①)構図を決めたら
- 光の量を調整して(コツ②)撮影する。
- 必要があれば光を補正する(コツ③)
撮影できた雪の写真をさらに美しく仕上げたい場合に③。写真アプリなどで、シャープ→シャドウ→露出や明度→ホワイトバランスや彩度を調整する。など、思い想いに微調整しながらイメージに近づける。
これで雪の撮影はOKです!
---- ここから以下は、遊び的&余談的なテーマになります ----
透明アイテムを使って雪を撮影する。
- 透明のビニール傘。降ってくる雪が傘に乗り、雪の単体を傘下から眺めることができます。お気に入りの雪形が舞い降りたら、傘の中からそのまま撮影です。
- 透明の袋やラップ。iPhoneのカメラレンズに緩くかぶせて撮影するとミスト加工のようにポワポワとした写真になります。クシャッとしてから光に向けて撮影すると、多方面への反射光が混ざってマーブルセロファンのような不思議な写真になります。お手製フィルタですね。
- 車のフロントガラス。iPhoneを濡らす心配もなく、寒さに震えることもなく、車の中から降る雪と水滴のコラボ撮影ができます。フロントガラスにギリギリまでiPhoneを近づけ、ピントは外側の遠くに合わせて撮影。その際は、フロントガラス側の電熱線やエアコン、ワイパーはOFFに。
雪の結晶や氷の結晶を撮影する。
iPhoneカメラでも雪の結晶を撮ることができるそうです。
iPhoneと「5ドルのレンズ」でとらえた雪の結晶 « WIRED.jp
マクロレンズを装着し、iPhoneを固定、AE/AFロックで撮影した後に「Snapseed」アプリでシャープとコントラストを強くしたそうです。スゴイですね!
私も雪が降ったら高倍率マクロレンズにズームやルーペを駆使してチャレンジしてみようと思います。(Mpowカメラレンズセットのマクロ倍率が20Xになりました。)
冷やした起毛素材やスポンジなどが雪をキャッチしやすく融けにくく、濃い色のものであれば撮影もしやすいようです。
雪の結晶っぽい状態でしたら、車のフロントガラス越しや透明ビニール傘の下から見えることもありますので、撮影できる可能性はありそうです。
雪の日が待ち遠しくなりました。
冬晴れになる日の早朝はとても冷え込みます。
氷の結晶、霜が降ります。
植物にできる霜はさまざまな形で楽しませてくれます。
朝陽を浴びるとキラキラと輝きます。
家の窓や車のガラスには、まるで幾何学模様が刻まれたクリスタルグラスや氷で作られた羽根のような、美しい窓霜(まどしも)ができます。
ガラス窓の向こうには、信号や車のライト、街灯りやネオンなど。
屋根づたいには氷柱(つらら)。魔法の杖のようですね、素敵。
丸くて可愛いレインドロップ(雫・水滴)ができやすい。
ボンネットやフロントガラスなどについた雪がゆっくりと溶けた水玉は、雨のしずくと違って流れ落ちにくいので、密集した水玉を撮りやすいのです。
iPhoneカメラのオートフォーカスがピントを合わせる前にシャッターを切ると、こんな色遊び的な玉ボケ写真も撮れます。
iPhoneが雪水没した場合の応急処置。
楽しい雪の撮影ですが、もし、万が一、雪の中にiPhoneを落としてしまうという悲しい事故が起きた場合は、
速やかに雪を払い、そっと水分を吸い取るように拭き取り、iPhoneの電源を切って、ドライヤーの風で乾かし、なるべく長時間お休みさせてあげるとよいそうです。
あれ?寒くない。
毎冬この時期であれば感じる “鼻がツーンとして耳にキーンとくるような空気の冷たさ”もなく、いつになく薄着で過ごしていることに気が付いて調べてみたところ、今冬は暖冬?
とは言えども、寒さが一番厳しくなるのは1月中旬から2月中旬にかけて。これからが冬本番。ゲリラ豪雨のように突然ドカンと降る可能性があるとも言われています。
スノーボードやスキーなどのウインタースポーツを楽しみにしている方にも、雪あそびを体験してみたい子供達にとっても、そして雪国で暮らす方々にとっても、生活の不便なく程よい加減で日本の冬を楽しく過ごせるとよいですね。
ご自愛くださいませ。