
世界は広い、ケーキに違いはあるけれど
ホットケーキって?パンケーキって?違うものなの?
そう聞かれたら「ホットケーキは家で食べるもの、パンケーキはおしゃれなカフェで食べるもの」と自分のイメージだけでそう答えてしまいそうなのですが、本当のところはどうなのでしょう。
気になりだしたら止まらない。美味しいものへの興味や探究心は尽きません。さっそく調べてみたので楽しかった発見をまとめてみようと思います。
ホットケーキとパンケーキ。この二つの言葉を聞けば、多くの皆さんはこんがりと焼かれた柔らかな生地と、ふんわり広がる甘い香りを想像されるのではないでしょうか。だけど少し考えてみると、心の中にふと浮かぶ疑問。「これって、ほとんど同じものじゃない?」そんな風に思ったことはありませんか?
どちらもフライパンで丸く焼き、お皿に乗せられる平たい一品で、見た目も大きな違いはなさそうに見えますよね。でも調べてみると、それぞれに興味深いストーリーがありました。今回はそんなホットケーキとパンケーキの違いについて少しだけお付き合いください。温かいドリンクでも飲みながら、のんびり気分でお読みくださいませ。
ホットケーキの懐かしい記憶
ホットケーキ。この言葉を聞くと、子どもの頃の忙しい朝よりも、少しゆったりとした休日の朝を思い出しませんか?それとも学校から帰って「おなかへった!」の声が響く午後のおやつの時間かも?私自身、小さい頃に母がキッチンでフライパンを眺めながらゆっくりとホットケーキを焼いてくれた記憶がよみがえります。
その甘いバニラの香りがリビングいっぱいに広がり、「もうすぐできるからね!」という母の声が今でも鮮明です。どこかホットケーキには「家庭の温かさ」というイメージがついて回るのかもしれませんね。
パンケーキのカフェでの記憶
そして、パンケーキ。この言葉を耳にしたときに思い浮かべるのは、20代の頃、友人と訪れたおしゃれなカフェ。メニューには「パンケーキ」という言葉が輝いていて、彩りよく素敵に盛り付けられた写真を見るだけで胸が躍ったのを覚えています。 カフェのパンケーキは見た目の華やかさやトッピングの多彩さがとくに魅力的ですよね。
そして近年になってからは、カフェ文化が根づき、SNSなどでシェアするための写真映えを求めてカメラを向ける姿もよく見られます。真剣さと笑みが入り混ざったその笑顔がカフェでのパンケーキの記憶を上書きしつつあるかもしれない。

ホットケーキとパンケーキという言葉
ホットケーキとパンケーキについて、まず最初にぱっと浮かぶのは名前そのものの違いです。”ホットケーキ”は日本では馴染みのある名前ですがそれについては後のスペースに譲るとして先に言葉のルーツを見ていきましょう。
- 「hotcake:ホットケーキ」とは、そのまま英語の「Hot:熱い」と「Cake:ケーキ」を組み合わせた言葉。つまり「熱々で食べるケーキ」ということですね。アメリカでは19世紀頃から鉄板やフライパンで焼かれたケーキをホットケーキと呼ぶこともありましたが、今のアメリカでは「Pancake:パンケーキ」という名前が主流なのだそうです。
- その「pancake:パンケーキ」とは、「Pan:平たい鍋」と「Cake:ケーキ」という意味。小麦粉、牛乳、卵、砂糖などを混ぜた生地を鉄板やフライパンで焼いたケーキの総称です。ということはですよ、パンケーキは樹木そのものでそこから伸びる枝葉がホットケーキということになるのです。
ポン・デ・リングもエンゼルフレンチも同じドーナツ。ピアニカもメロディオンも同じ鍵盤ハーモニカであるように、ホットケーキもスフレケーキも同じパンケーキ。小麦粉、牛乳、卵、砂糖などを混ぜた生地を鉄板やフライパンで焼いたものは全部パンケーキということですね。ここで分かったことはホットケーキはパンケーキだということ。
日本でいうところのホットケーキとは?
ここで少しホットケーキの歴史のお話を。パンケーキが日本でホットケーキと呼ばれるようになったのは、ホットケーキ粉のヒットによるところが大きいと言われています。
- 日本には明治30年代、西暦で1900年あたりにパンケーキが書物で紹介され、大正12年に提供され始めました。温かいパンケーキであることからホットケーキと呼ばれ始めるようになります。
- 昭和時代に入り、1930年代に「無糖のホットケーキの素」が登場。1950年代には「加糖のホットケーキの素」が登場。そして1960年代に森永製菓から発売された「ホットケーキの素」のちに「ホットケーキミックス」となる商品がヒットし、一般的に「ホットケーキ」という呼び名が広まり、「家庭的な甘いおやつ」として定着します。
ホットケーキとパンケーキの違いは?

味わいと食感で見る違い
- ホットケーキは、ふっくら厚めで、甘みがしっかりしているのが特徴ですよね。家庭で作るなら、ホットケーキミックスがとっても便利です。
- パンケーキは、薄めで柔らかく軽やかな食感。生地自体の甘さは控えめなので、トッピングしだいでおかず系でもデザート系でも楽しめます。
とはいえ、最近ではこの2つの境目がだんだん曖昧になってきました。もともとはっきりとした定義があるものでもないので、ショップやエリアさらには個人の感覚で、イメージや雰囲気に合う方の名前を使うことが増えているようですね。
トッピング文化の違い
- ホットケーキは、シンプルにバターとメープルシロップが定番的。甘みはあるのでアクセントにフルーツをのせるくらいの素朴なトッピング。
- パンケーキは、ベーコン、スクランブルエッグ、アボカドをのせた食事系、 ナッツ、ベリー類、アイスクリームなどをのせたデザート系などさまざまです。
甘いもの好きな人にはホットケーキの濃厚さがたまらないですよね。一方、トッピングの自由度が高いパンケーキは、その日の気分や食事シーンによって活躍します。
海外映画の朝食シーンにもよく登場しているパンケーキ、海外映画をよく観るわたしは「海外っぽいブランチ」というイメージがあったりします。
なので?朝はパンケーキでフルーツやナッツをトッピングしてヘルシーに、そして午後のおやつにはホットケーキとバターたっぷりで、ちょっぴり贅沢に過ごすのが好きです。
作り方とレシピの違い
基本的な材料は、ホットケーキもパンケーキも同じです。小麦粉、クリーミィさが加わる牛乳、生地をつなぎ優しい食感を作る卵、生地を膨らませるためのベーキングパウダーやメレンゲ、甘みを加える砂糖、焼く時には風味を加えてくれるバターです。
- ホットケーキのおいしい焼き方とコツ:弱火でじっくり焼き、表面にプツプツとした気泡が見えたらひっくり返すと失敗しません。
- パンケーキのおいしい焼き方とコツ:やや高温で短時間で焼き上げ、軽い香ばしさを楽しみます。
こだわりの食材探しもまた楽しいものですよね。小麦粉から選ぶもよし、オーガニックのメープルシロップを探すもまたよし。不思議と食材にこだわれば、新たな発見と一緒に楽しさも美味しさも倍増する気がします。
もちろん、食べたくなったらすぐに作れる、森永のホットケーキミックスや、
よつ葉の北海道バターミルクパンケーキミックスは、いつでも出動できるようにキッチンラックにスタンバイしていますよ。ホットケーキの時は牛乳で、パンケーキの時はアーモンドミルクで溶いています。どちらが好きかではなく、どちらも好きなんです。
どことなくお米の風味を感じるのは私だけでしょうか?
メープルシロップはモンファボリのカナダ産100%ピュアメープルシロップを使っています。ホットケーキやパンケーキはもちろん、朝一番に体を目覚めさせる栄養補給としてフルーツスムージーやホットヨーグルトに混ぜています。甘さも粘度もちょうど良いのです。
そもそもケーキとは?
日本語で「ケーキ」と聞くとスポンジケーキにデコレーションされたものを想像することが多いけれど、「Cake:ケイク」は古英語からくる”小麦粉に液体を混ぜて焼いたかたまり”という意味が含まれていて、欧米圏では日本語のケーキに比べて少し幅広いニュアンスの”甘い焼き菓子”全般のことを指すそうです。いわゆる”洋菓子”ですね。
日本のケーキショップに洋菓子店と書いてあったり、スポンジ生地のケーキからフィナンシェやマドレーヌ、マカロンまで置いてあるのもそういうことなんですね。厳密に言うと・・なんて野暮なことは言いっこなしですよ。
ホットケーキとパンケーキとケーキの関係
基本的にケーキは、小麦粉、液体(通常は牛乳や水)、卵、砂糖、脂質(バターや油)を混ぜてオーブンで焼き上げたものだそうですが、広い意味で ”小麦粉に液体を混ぜて焼いたもの”をCakeと言うなら、卵を使わないものや甘くないもの、オーブンではなくフライパンで焼くホットケーキやパンケーキも「ケーキ」の仲間ということになります。ホットケーキはパンケーキの仲間。そのパンケーキはケーキの仲間。
- Cakeは古英語で、小麦粉に液体を混ぜて焼いたかたまりのこと
- Cakeは英語で、甘い焼き菓子全般を指す洋菓子のこと
ケーキの家系図
ホットケーキやパンケーキはグローバルな「ケーキ」ファミリーに属しているということがわかりました。ということは、ケーキとの関係を家族に例えると、ケーキが祖父母でパンケーキが父母、ホットケーキやほかの皆は個性を持った子どもたちで兄弟姉妹の関係です。こう考えてみると面白いですね!

ケーキはケーキでも
世界には「え?これもケーキだったの?」と、ケーキという言葉がついていないケーキの仲間がたくさんあります。国やエリア、使う材料や作り方の違いによってケーキはバラエティ豊かにその姿を変えています。ドイツ発祥のバウムクーヘン、アメリカ発祥のブラウニー、フランス発祥のタルト、ポルトガル発祥のカステラなど、調べればキリがないほど出てきそうですね。ケーキという言葉がつけばそれこそ調べなくても収拾がつかないくらいに思いつくものがあります。奥深きケーキの世界。
世界は広い、パンケーキの仲間たち
まずはオーソドックスなパンケーキ。古代ギリシャが発祥地とされています。
- スイーツデザート系の食べ方では、生クリームにアイスやヨーグルト、ベリーやバナナなどのフルーツを添えて食べられています。
- 食事系の食べ方では、朝食やブランチとして、スクランブルエッグや目玉焼きなどの卵に、ベーコンやハム、ソーセージなどの肉類と、ポテトやサラダなどの野菜を、乗せたり巻いたりなどして食べられています。おかず系パンケーキや塩系パンケーキとも呼ばれています。
食事的なものだと、炭水化物・タンパク質・食物繊維などを一緒に摂れる、手軽なバランス食という感じですね。

続きましては、フランスが発祥地といわれているクレープ。ベーキングパウダーを除いたパンケーキ生地をフライパンで薄く焼いたもの。巻いたり畳んだりして、パンケーキと同じように食事系でもデザート系でも食べられています。薄焼きパンケーキとも呼ばれています。ちなみにクレープにクリームを挟みながら重ねたミルクレープは日本が発祥なんですって。なんだか嬉しいですね。
クレープは、フランス北西部のブルターニュ料理であるガレットが元になっています。そば粉を小麦粉に変えてバターや甘みを足してクレープ(=絹のような)と呼ぶようになったそうです。

ここでガレットの登場です。クレープと同じくフランスが発祥地とされています。ガレットとはそば粉で作った塩味の薄焼きパンケーキのことをいいます。小麦粉ではなくそば粉なので、家系図的にいうとパンケーキの親戚といったところでしょうか。

ガレットの流れで、ここで食事系の薄焼きパンを。ピアディーナ、大きいものはピアーダと呼ばれるものはイタリアが発祥地です。小麦粉、水、塩、オリーブオイルで作られる伝統的なフラットブレッド(平なパン)です。
トルティーヤはメキシコが発祥の地で、とうもろこし粉で作られる薄焼きパン。タコスはそのトルティーヤを使ったメキシコの料理名なんです。ブリトーは大きめのトルティーヤで具材をくるくると巻いたメキシコの料理名です。

ラストにダッチベイビー。こちらはドイツ発祥アメリカ育ち。パンケーキ生地よりも卵を多めに使ったジャーマン生地を、フライパンではなくオーブンで焼き上げます。ジャーマンパンケーキやビスマルクとも呼ばれています。外側はサクサク、内側はクレープのようにもちもちしていた食感です。

そしてラストランナーはフランス発祥のスフレ。小麦粉に卵白と砂糖を混ぜてふわふわにしたメレンゲとを混ぜて焼き上げる、柔らかさと軽やかさが特徴のパンケーキ。
日本では、”最高の一皿”をコンセプトにしたスフレパンケーキ専門店「フリッパーズ」から誕生した「奇跡のパンケーキ」が有名ですよね。そして「幸せのパンケーキ」。どちらもきめ細やかなしっとりとした生地でふわっふわの新食感が話題になりました。眺めているうちに溶けてしまいそうな柔らかさと優しいフォルム、揺らしてみるとふるふる感たっぷりで癒されます。

それに触発されて、ホットケーキミックスと豆腐にたっぷりのメレンゲで、豆腐のパンケーキを作ってみたことがあるんです。できばえは・・もちもちとした豆腐味のパンでした!スフレケーキとしては失敗だけれど、豆腐を使ったホットケーキだよとなるとまずまずの成功だと思います。
スフレパンケーキに限らずですが、パンケーキやホットケーキミックスのレシピがたくさんあって作りたくなるものばかり。嬉しい悲鳴をあげつつレシピを選ぶ時間もまた楽しいものですよね。
甘い香りとともに
ホットケーキって?パンケーキって?違うものなの?と聞かれたら、こう答えましょう。パンケーキを甘くふっくらさせたらホットケーキだよ。
ホットケーキとパンケーキ、一見同じように見えるものの、その小さな違いが楽しさや選ぶ理由をより深く広げてくれている気がします。どちらもそれぞれの場で人々を笑顔にしてくれる愛すべき存在ですね。
ホットケーキを焼く時間は、家族や友人との温かい時間をもたらしてくれます。そしてパンケーキはトッピング次第で果てしない可能性を秘めていて、まるで冒険のような楽しさがあります。
ホットケーキにせよパンケーキにせよ、焼きたての白い熱気にその香り、ふわっとした食感にほおばった瞬間の幸せ。その一瞬一瞬が、私たちの日々を明るくしてくれる気がしますね。 明日も頑張るぞ!なんてね。
今度ホットケーキやパンケーキを焼くとき、いつもよりちょっとだけホットケーキやパンケーキの幸せな世界を感じてみてください。そしてより一層、味わい深い時間が過ごせますように!美味しく食べる。これが一番ですね!



