穢れ(けがれ)無き人・健やかで美しい“健康美”という花言葉を持つ 柚子(ゆず)。黄色く熟した黄ゆずの旬は10~12月です。
花言葉のように、柚子には健やかで美しいカラダの素となる栄養がたくさん含まれています。皮にも果肉にも種にまで。まるごとですね。
まるごと健康美の素になるのですが、柚子は香酸柑橘(こうさんかんきつ)でもあります。香酸柑橘とは、酸っぱくてそのまま食べるには向かない柑橘類のことです。
そのため柚子の栄養や効能をなるべく損なわずに、皮や果汁の香りや風味を活かした調理方法などがたくさんあります。
健やかで美しいヒトは、カラダの内側から温かい。
どこかが痛かったり調子が良くなかったり、眠れなかったり寝ても疲れが残っていたり。そのほとんどはカラダの冷えが原因かもしれません。風邪、肩こり、肌荒れ、便秘、手足の冷えなどはその表れであることが多いのですよね。
カラダの内側がポカポカしていると、カラダは本来の働きを発揮でき、胃腸もホルモンバランスなども整えやすくなり、結果、ダイエットや美肌などの嬉しい効果につながったり、心が穏やかになったりもするのです。
柚子を使ったポカポカ効果のホットドリンク。
内側からカラダを温めるには、温かいものをカラダに取り入れること、ポカポカ効果のある栄養を摂ることが早道です。血行を促進させる柚子を使ったホットドリンクなどは理にかなったものになるのですね。
柚子茶の作り方は簡単でさまざまなアレンジができますが、柚子ジャムですと、そのままマーマレードとしてパンに塗ったり、スイーツに添えたり、お湯に溶かしてホット柚子茶としても飲めますので、手づくり柚子ジャムを常備しておくのもおすすめです。
柚子茶になる、ゆずジャム(ゆずマーマレード)レシピ。
柚子皮と蜂蜜や砂糖などの甘味料があれば作ることができる柚子茶ですが、今回は皮だけでなく栄養まるごと柚子まるごと使っての、ゆずジャムレシピのご紹介です。
ゆずジャムの作り方
- 柚子(ある分)
- 蜂蜜や砂糖(お好みで。目安として柚子に対して同分量~8割くらい)
- 種を入れるお茶パック
- 煮詰め用に鍋かミルクパン
- ジャムを入れるキャ二スター(ガラス瓶)
- 柚子をきれいに洗い、皮・果肉・種に分け、種はお茶パックに入れます。
- 鍋に果肉を絞った果汁と、薄く千切りにした薄皮と表皮、蜂蜜、水適量を入れて火にかけます。
- 沸騰したらお茶パックごと種を入れ、アクを取りながら弱火で煮詰めてできあがりです。
お好みの甘さで。作る時に甘味料を増減してもよいですし、そのまま作って冷蔵保存し、飲む時にその日の気分に合わせて甘さを調整しても良いですね。
柚子皮は、茹でこぼしや水にさらすとほろ苦さがなくなりますが、栄養も流れてしまうので、できればそのまま甘さと少しのほろ苦さも一緒に味わうことをおすすめします。
たくさん作ると鮮度が心配な場合は、少し風味は落ちますが柚子を冷凍保存して、無くなったら作るというのもよいですね。
柚子茶のおいしい飲み方レシピ(蜂蜜ゆず茶)。
ホット柚子茶で飲む場合は、ゆずジャムをお湯で割るだけで、蜂蜜柚子茶になります。
煮るのが手間な場合は、下ごしらえした柚子と蜂蜜をそのまま保存瓶に入れて混ぜ、冷蔵庫で数日寝かせます。飲む時にお湯で割るか、水で割って電子レンジであたためます。
ゆずジャムで柚子茶を飲む時に、ちょっとひとアレンジ。
- ゆずレモネード。輪切りのレモンやレモン果汁を入れます。
- 蜂蜜ゆずりんご。すりおろし林檎を入れます。
- 柚子茶生姜湯。生姜のすりおろし、または生姜のしぼり汁を入れます。
- 柚子の甘酒。酒粕を溶かします。
- 柚子茶ミルク。牛乳や豆乳で割ります。
- 柚子サイダー。サイダーやソーダで割ります。
ゆずジャムとホットケーキミックスで作る、柚子パウンドケーキレシピ。
ゆずジャムとHM(ホットケーキミックス)を使って、簡単しっとりパウンドケーキがおいしいです。
柚子パウンドケーキの作り方
- 森永ホットケーキミックス(1袋150g)
- 卵(1個)
- バター(50g:大さじ4~5)
- 砂糖(50g:大さじ5)
- 牛乳(大さじ2)
- ゆずジャム(お好み適量:目安100g:大さじ5)
- パウンドケーキ型(100円ショップの紙製でOK)
- 分量のバターを室温に。オーブンを180℃に予熱します。
- 室温になったバターをスパチュラ(シリコンヘラ)で白くなるまで混ぜ、砂糖を加えてさらに混ぜます。
- クリーミィな状態になったら卵・牛乳・ゆずジャムを入れて混ぜ合わせます。
- ホットケーキミックスを加えさっくり混ぜ合わせます。
- パウンドケーキ型に入れ、180℃に予熱されたオーブンで35~40分ほど焼き、串を挿して中まで焼けていたらできあがりです。
表面が少し焼き固まった時に、真ん中に切れ目をいれると、パウンドケーキらしい綺麗な焼き上がりになります。
また、焼きあがったパウンドケーキの上にゆずジャムを塗ると、ツヤもでて、より美味しそうなできあがりになります。
柚子ピール(ゆずグラッセ)簡単レシピ。
ゆずジャムの作り方に似ています。ゆずジャムでは皮を薄く千切りにしますが、ピールでは厚みをもたせた千切りにします。
砂糖と水を加えて焦がさないように、水分がなくなるまで煮詰めた柚子を、お皿やトレイに並べて自然乾燥させ、グラニュー糖や砂糖をまぶしてできあがりです。
先ほどのパウンドケーキに切り混ぜるのも良いですし、溶かしたチョコレートに入れてオランジェ風にして固めても美味しいのでおすすめです。
和の柚子。和に合う柚子の調味料など。
香酸柑橘(こうさんかんきつ)には、柚子のほかにも、すだち・橙(だいだい)・かぼす・ライム・レモンなどもあります。酸味が強いこれらの香酸柑橘類は、ギュッとしぼって果汁を利用することも多いですよね。
その中でも、柚子はすだちやかぼすと同じく日本料理にもよく合います。焼き魚や刺身、鍋の薬味や酢の物など、食欲をそそる爽やかな香りと風味がぴったりですよね。
柚子味噌の作り方
炊きたてご飯に乗せたり、ふろふき大根に乗せたり、豆腐やこんにゃくの田楽にしたり、酢の物と和えたり、書いているだけで幸せな気分になりますね。
- 柚子(お好み量)
- 味噌(1カップ)
- 砂糖(1カップ)
- みりん(大さじ2)
- 柚子をきれいに洗い、皮を細かく刻むかすりおろします。
- 味噌と同量の砂糖を鍋に入れ火にかけます。スパチュラなどや木製のヘラなどで焦がさないように混ぜます。
- 砂糖が溶けたら、みりん・柚子・柚子の果汁を混ぜ入れ練ります。
- とろみができたら冷ましてできあがりです。
少し酢を入れるのも美味しいです。
もっと簡単な柚子味噌の作り方は、白味噌にすりおろした柚子を混ぜるだけ。白味噌はとろみがあって甘さもあるので柚子と和えるだけでできあがります。
ゆずポン酢ドレッシングの作り方
豆腐料理に合う柚子ポン酢レシピです。冷奴、豆腐サラダ、湯豆腐、水炊きなどに。材料をなじむまで混ぜるだけです。
- 柚子の果汁(適量)
- ポン酢(大さじ2)
- 醤油(小さじ1)
- 酢(小さじ1)
- 砂糖(小さじ2)
- ごま油(少々)
簡単なサラダ用ポン酢ドレッシングの作り方は、細かく刻んだ柚子の皮にポン酢・オリーブオイル・塩とブラックペッパーを混ぜてできあがりです。
ゆず大根の漬物レシピ。
今が旬の柚子と大根を使ったゆず大根、美味しいですよね。大根の旬は11~2月。寒い時期の大根は秋冬大根といって甘みがありみずみずしいのが特徴です。ちなみに暑い夏の大根は辛めだそうです。
ゆず大根の作り方
- 大根(半分)
- ゆず(適量)
- 酢(大さじ3)
- 砂糖(大さじ4)
- 塩(大根の塩もみ用)
- 唐辛子(輪切りをお好みで)
- 大根を短冊やいちょう切りなど好みの形に切ります。
- 塩でもみ、出た水分を除きます。
- 柚子皮の千切り・酢・砂糖を混ぜてしばらく寝かせたらできあがりです。
できたゆず大根を柚子釜(柚子の中身をくり抜いて作る器)に盛り付けると、上品なおもてなしの一品料理にもなりますね。
旬ではないですが、柚子胡椒。
柚子は初夏に白い可憐な花を咲かせ、夏に青玉と呼ばれる青ゆずが収穫されます。この青ゆずと、同量の青唐辛子と、塩をミキサーやフードプロセッサーにかけるだけで、あのピリっとパンチの効いた柚子胡椒ができるのです。
目安として青柚子100gに青唐辛子が100gであれば、塩は大さじ2杯ほどです。激辛いのが好きな方なら青唐辛子の種を入れるとさらに辛味が増します。
・おすすめ柚子胡椒。
辛口めで、ややしょっぱめ、シンプルな味付け料理のアクセントとしてぴったりです。柚子胡椒 発祥の地、九州の老舗「ホシサンゆずこしょう」青柚子も青唐辛子も塩も原産国は日本。安心シンプルな素材の完全無添加です。
柚子胡椒を初めて食べたのはラーメン屋さんでした。具材の地鶏を炭火焼きにした香りと柚子胡椒の香りが印象深く、塩味の出汁スープにマッチしてとても美味しかったのです。
パスタやうどんに蕎麦などに薬味代わりで入れるのも美味しいですよね。湯豆腐、水炊きなどの鍋物にもよく合います。
ローストビーフにも、鶏肉の皮をパリパリに香ばしく焼き上げたシンプルなチキンソテーに添えるのも絶妙です。柚子胡椒を少しの醤油で溶いて、焼いたお餅につけて食べるのもおすすめです。
内側から温まったら、あとは柚子湯(ゆず風呂)で完ぺきです。
柚子の効果効能、栄養素など、さまざまな文献から学ばせてもらった柚子のことをまとめるには、とても長くなりそうですのでまたの機会に。というほどに、柚子には素晴らしい健康美の素が詰まっていることがわかりました。
冬至に「ゆず湯に入れば風邪をひかない」と言われています。
柚子湯は、硫黄泉に入るのと同じくらいにカラダの深部からポカポカと温まり、湯冷めしにくい入浴方法だそうです。
柚子の皮には「リモネン」という精油が豊富に含まれています。その精油は、毛細血管を刺激して新陳代謝や血行を良くし、皮膚に膜をつくってポカポカ効果の持続と肌の保湿効果も担ってくれます。
皮をもんで精油を出すと効果的です。
精油をたっぷり出すには、柚子皮を長めにお湯に浸したり、もみほぐすと良いのですが、同時に果汁もしぼり出されるのですよね。
レモンの皮をしぼった時にピュッと目に入った時のあの刺激、ほとんどの人が経験したことのある事件だと思うのですが、それと同じような刺激が肌に・・
ですので、肌がデリケートな方はとくにご注意を。私はデリケートでもないのですが、やはりチクチクときますので、柚子を刺激しないようにそっと浮かべて入浴します。
入浴後は、なめらかに潤った肌から柚子の香りもして、ポカポカ効果とリラックス効果と、芯から心地よさを感じられますよね。
食べて良し、健康に良し、肌にも良し、
柚子ってやっぱり大好き。